算命学の行動領域とは|4領域の意味と出し方を建築士が解説

算命学の行動領域を示す宇宙盤の円環と三角形、住まいの間取り図を組み合わせたイメージ

宇宙盤に自分の三点を落として線で結んでみたら、思っていたより細長い三角形だった。あるいは三点が寄って、ほとんど一本の線になってしまった——そんな図を前に「自分は交友の狭い、生きづらい人間なのだろうか」と受け取ってしまう方は少なくありません。人の多い場所にいると数日ぐったりする、その理由がこの図にある気がして、かえって落ち込んでしまう。そんな声もよく聞きます。

さらに厄介なのが、調べるサイトごとに四つの領域の呼び名がまるで違うことです。守備・伝達・攻撃・習得と説明する人もいれば、安定・自由・知性・挑戦と呼ぶ人もいて、横断して読むほど混乱していきます。

ここでは一級建築士で占術研究家の匠庵が、算命学の行動領域を「正しく描く・正しく読む・住まいに翻訳する」の三段で整理します。年干支・月干支・日干支の三点で三角形を描く手順を、時干支を使わない理由まで含めて解説し、四通りに割れた呼び名を一枚の対照表でそろえます。そのうえで、三角形の広い狭いを優劣ではなく「必要な居場所の違い」として、間取りの言葉に置き換えていきます。

この記事を読むと分かること
  • 行動領域とは命式の何を結んだ図で、なぜ時干支を使わないのか
  • 四領域(守備・伝達・攻撃・習得)の意味と、呼び名が四通りある理由
  • 自分の行動領域を描く5ステップと、三角形の広い狭いの読み方
  • 交流の型を住まいのゾーニング・採光・換気にどう活かすか

目次

算命学の行動領域とは?宇宙盤に描く三角形の意味

行動領域とは、命式の3つの干支を結んだ三角形のこと

ユイ

宇宙盤はなんとか作れたんですけど、この三角形って結局なにを表しているんですか?

建築士 匠庵

ひと言でいうと「あなたが人とどれだけ広く関わるか」の傾向図です。結論から置きますね。この図の面積が、交流の広さの傾向を映します。

算命学の行動領域とは、宇宙盤(六十干支を円環状に並べた図)の上に、自分の陰占(命式)から年干支・月干支・日干支の三点をとり、線で結んでできる三角形のことです。この三角形の面積が、その人の生きる範囲や人間関係の広さの傾向を表すとされます。総本校のひとつである朱学院も、次のように説明しています。

円上に並んだ六十の干支から陰占宿命にもつ三つの干支を結んでいく方法で、結んだときの三角形の大きさが、その人の生きる範囲や人間関係の広さを現します

朱学院「算命学 宇宙盤」

大切なのは、これがあくまで「傾向」を読む一つの見方だということです。三角形が大きいから優れている、小さいから劣っている、という優劣の図ではありません。面積は「どれだけ多くの人・場面と関わることに向いているか」の目安であって、性格の良し悪しを決めるものではありません。後半では、この「広い・狭い」を住まいの居場所づくりへ翻訳していきます。

宇宙盤の構造と、行動領域が時干支を使わない理由

宇宙盤は、一番目の甲子から六十番目の癸亥までの六十干支を、順に円環状に並べた図です。この輪の上に命式の干支を置いていくのですが、行動領域で使うのは年干支・月干支・日干支の三柱だけで、時干支(生まれた時刻の干支)は使いません。ビジネス算命学の解説でも「間違っても時干支は使用しないこと」と注意が添えられています。

占術家

ここは四柱推命との大きな違いですね。四柱推命は年・月・日・時の四本の柱をすべて使いますが、算命学の宇宙盤は年・月・日の三本だけで描きます。

なぜ三点なのか。仮に十干を外して十二支だけを使おうとすると、円環上には十二か所しか置き場所がなく、六十に分割した宇宙盤という仕組みそのものが成り立ちません。「支」ではなく「干支(十干+十二支のセット)」を使うからこそ、六十の目盛りの上に三点を正確に落とせます。プロットするのは年支・月支・日支ではなく、年干支・月干支・日干支だと押さえてください。円環の起点や回転方向(甲子を上に置いて時計回りにするなど)は一般的な作図ではおおむね共通していますが、細部は解説者によって幅があります。

この三柱だけを使う点は、後で触れる「同じ日に生まれた人は行動領域が同じ形になる」という論点の伏線でもあります。四本すべてを使う仕組みは、四柱推命の命式が年月日時をどう読むかもあわせてご覧ください。

四つの領域と、守備・伝達・攻撃・習得の四本能

宇宙盤は円を四つの領域に分けて読みます。それぞれに守備本能・伝達本能・攻撃本能・習得本能がおおむね対応するとされ、三角形がどこにかかっているかで、どの本能を使いやすいかを見ます。範囲は番号ではなく干支名で押さえるのが安全です。

  • 甲子〜戊寅の領域 … 守備本能(安定・現状維持を守る傾向)
  • 己卯〜癸巳の領域 … 伝達本能(自由・表現・自己主張の傾向)
  • 甲午〜戊申の領域 … 攻撃本能(前進・実行・チャレンジの傾向)
  • 己酉〜癸亥の領域 … 習得本能(論理・研究・知識を深める傾向)
建築士 匠庵

境目を「何番から何番まで」と数字で覚えると、解説によって一つずれていることがあります。干支名でとらえておけば、そのブレに振り回されずに済みます。

補足:四本能と五本能

算命学の本能論そのものは、守備・伝達・引力・攻撃・習得の五本能で語られます。十大主星(貫索星・石門星・鳳閣星・調舒星・禄存星・司禄星・車騎星・牽牛星・龍高星・玉堂星)は、この五本能を陰陽に分けて構成されるとされます(朱学院)。一方で明学院は「攻撃・守備・習得・伝達の四大本能を引力本能がコントロールする」という整理を示しています。宇宙盤の領域が四つなのは前者の四本能に対応している、という並びで理解しておくとよいでしょう。ただし「引力本能が統御する立場だから宇宙盤は四領域なのだ」と因果で言い切れる出典は確認できていません。あくまで事実の併置にとどめます。どの領域を円のどの位置に置くかも、解説者によって図の向きや意味づけに幅があります。

呼び方が4通りある理由

同じ四分割なのに、解説者ごとに呼び名がまったく違う——これが初学者を最も混乱させる箇所です。ただ結論を言えば、どれも同じ四つの領域の言い換えで、指しているものは変わりません。本記事では本能論に沿った「守備・伝達・攻撃・習得」を主軸に据えます。

ユイ

調べるサイトごとに呼び方が違って、自分の領域がどれなのか分からなくなっていました…。

建築士 匠庵

一枚の表に並べてしまえば大丈夫です。呼び名が違うだけで、対応関係はきれいにそろいます。

呼び方の系統第一第二第三第四
本能論準拠(本記事の主軸)守備伝達攻撃習得
有伽堂きりん系安定自由知性挑戦
算命学Stock系(対で表現)知性・感情感情・常識常識・理性理性・知性
synchrorich系ひらめき計画・行動実行・結果分析

守備≒安定、伝達≒自由、攻撃≒挑戦、習得≒知性、と系統をまたいで対応がとれます。別の呼び名で調べても、たどり着く先は同じ領域です。

流派による違い

算命学には台湾系(西川満の系統)と日本系(高尾義政の系統)があり、日本系でも高尾学館と朱学院とで節入りの扱いや陰占の見方が異なるとされます。行動領域についても意味づけや相性の分類名は解説者によって幅があります。なお四つの領域に季節を当てて説明する流儀もありますが、どの領域をどの季節に対応させるかは解説者間で分かれているため、本記事では扱いません。ここで紹介する整理を一つの見取り図としつつ、最終的にはご自身の状況・命式と合わせてご判断ください。算命学の体系は、算命学総本校 高尾学館の紹介ページも参考になります。

行動領域の出し方と、三角形の読み方

行動領域の出し方5ステップ

宇宙盤の円環に年干支・月干支・日干支の三点をプロットし、守備・伝達・攻撃・習得の四領域と三角形を示した行動領域の図解
年干支・月干支・日干支の三点を六十干支の円環に結ぶと、四領域のどこにかかるかで行動領域が読み取れます。

陰占の命式があれば、行動領域は描けます。手順を通してみましょう。

  • 陰占の命式を用意し、年干支・月干支・日干支の三つを書き出す(時干支は使いません)
  • それぞれが六十干支の何番目にあたるかを、六十干支表で確認する
  • 六十干支を円環状に並べた宇宙盤を用意する(等間隔の目盛りの円で構いません)
  • 年・月・日それぞれの干支を、円環上の対応する位置に点として置く
  • 三点を線で結び、できた三角形が四領域のどこにかかっているかを見る
建築士 匠庵

結んだら、まず大きさと、どの領域にかかっているか。この二つだけ見れば十分で、細かい読みは後から足せます。

作図に使う年・月・日の干支は、当サイトの四柱推命ツールでも確認できます。ただしこのツールは命式(干支)を出すためのもので、宇宙盤の三角形までは描きません。三点をそろえたら、その先は上の手順でご自身の手で結んでみてください。

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一点だけ実務的な注意を。生まれた日が節入り(月の切り替わり)の前後にあたる方は、流派や計算ソフトによって月干支の判定が分かれることがあります。月干支が変われば三点のうち一つが動きますので、心配なら複数のソフトや資料で確認してみてください。同じ陰占の命式から五行の型を読む手順は、算命学の完全格を調べる5ステップと構成がそろっています。

広い三角形・狭い三角形の読み方

三角形の大きさは、ざっくり次のように読まれます。広い三角形は、思考に柔軟性があり交友関係も広いジェネラリスト型の傾向。狭い三角形は、感性が鋭く、少数の気の合う相手と深く長く付き合うスペシャリスト型の傾向、とされます。

長所と短所の両面も、個人ブログでの整理ではありますが、次のような見方があります。広い人は「気遣いのできる人」と評価されやすい一方、無意識にエネルギーを使いすぎて疲れやすい。狭い人は堅実に自分の世界を守れる一方、周囲の空気に少し鈍感なところがある——といった具合です。当てはまり方には個人差があります。

ユイ

私の三角形、すごく細長かったんです…。これって「ダメな人」ってことでしょうか。

建築士 匠庵

いいえ、そうではありません。ここは特に強調しておきたいところです。

大事な留保を置きます。三角形が跨いでいる領域が「強み」だとしても、跨いでいない領域が「弱点」だったり、その性質が皆無だったりするわけではありません。守備の領域に三角形がかかっていない人が、まったく守りに入れないわけではないのです。行動領域は「使いやすい傾向」を示すもので、「持っていない能力」を示すものではありません。だからこそ、広い・狭いは優劣ではなく「向き・不向きの型」として受け取るのが健全です。狭いと出た方は、劣っているのではなく「少人数・長時間で力を発揮しやすい型」というだけ。この見方は後半の住まいの話につながります。

三角形にならず線や点になるケース(律音)

三点を結んだのに三角形にならず、線や点のように潰れてしまう——これは珍しいことではありません。陰占図のなかに律音(同じ干支が並ぶ配置)が成立していると、三点のうち二点が重なり、三角形が細くなったり一本線になったりします。

占術家

律音で三点が寄ると図としては三角形が潰れます。ただこれは異常でも欠損でもありません。読み方としては「狭い型の特徴がより強く出ている」と受け止めるのが一般的です。

建築士 匠庵

一本線が出て落ち込んでしまう方は多いのですが、まず「壊れている図」ではないと知ってください。

実際、算命学の鑑定の現場でも、相談に来られる方は三角形が大きい方よりも、むしろ小さい・狭い、あるいは一本線という方に偏っている、という指摘があります。これは占術上の一般的な傾向として語られる話で、特定の誰かの鑑定例ではありません。悩んで検索する人ほど「狭い側」に寄る——この実像を踏まえると、線や点になったからといって自分だけが特別に不利なわけではない、と分かります。律音による一本線は、広く浅くではなく狭く深くに全振りされている状態、と考えると腑に落ちやすいでしょう。後半の住まいの章では、この「狭く深く」の型に合った居場所の作り方を具体的に見ていきます。

正三角形=大三合会局=位相法の三合会局

三角形がもっとも大きくなるのは、三点が円周を三等分する正三角形のときです。この正三角形には、算命学の中で特別な名前がついています。

三角形がもっとも大きくなるのは正三角形で、正三角形は大三合会局という名前をもち、ここまで広い宿命をもつ人は滅多にいません

朱学院
占術家

ここが宇宙盤の面白いところで、この「大三合会局」は、位相法で言う三合会局とまったく同じ構造なんです。

種明かしをします。六十干支を円環に並べたとき、正三角形=円周の三等分は干支番号でおよそ二十間隔にあたり、十二支が四つ飛びにそろって、申子辰(水局)・寅午戌(火局)・亥卯未(木局)・巳酉丑(金局)という三合会局のいずれかに一致します。たとえば甲子・甲申・甲辰と拾えば、支は子・申・辰=申子辰の三合です。つまり宇宙盤の正三角形は、位相法の三合会局を円環の上に絵として描いたもの。宇宙盤は位相法とは別の技法ではなく、位相法を可視化した図なのです。だからこそ大三合会局になる人は稀で、多くの人はどこか一辺が短い三角形になります。三点が一部だけそろうと半会と呼ばれますが、解説者による幅があるため深追いはしません。行動領域の読み方としては、三合・半会・冲までを押さえておけば十分です。

行動領域を住まいに翻訳する

交流の広さは、間取りでは「ゾーニングと動線」の話になる

ここからが、占い記事ではあまり見かけない部分です。行動領域が示すのは「人とどれだけ広く交わるか」。これを建築の言葉に置き換えると、パブリック(来客も入る場)/セミパブリック/プライベート(家族だけの奥)のゾーニングと、そこをつなぐ動線計画の話になります。

建築士 匠庵

私はこれを「3つのものさし」で考えます。占術の理として行動領域=交流の型を読み、建築の実としてゾーニングと動線に落とし込み、暮らしの利として賃貸でもできる隅の作り方まで持っていく。この三段が住まいの気学の見方です。

行動領域を「性格の断定」で終わらせず、「自分の消耗パターンに合った居場所を設計する材料」として使う——これがこの章の視点です。広い型なら人が集まる場をどう開くか、狭い型ならこもれる場をどう確保するか、力点の置きどころが違うだけです。

注意:占術の解釈からの橋渡しについて

「行動領域が広い=実際に来客が多い」というのは、占術の解釈(交友関係の広さ)からの橋渡しであって実証データではありません。本章は「そういう傾向とされるのであれば、設計上はこう考えられる」という条件付きの読み替えとして進めます。占いの結果が科学的に証明されているという話ではなく、「建築的にも合理性のある備え方」として受け取ってください。方位や色の側から整えたい場合は、同じく算命学を住まいに翻訳した守護神の五行を活かすインテリアの整え方が両輪になります。

三角形が広い人:人が集まる家と、換気の「人数問題」

交友が広い傾向とされる方なら、休日に人が集まってLDKの在室人数が一気に増える場面も考えられます。ここで一級建築士として、正確に線を引いておきます。

よく誤解されるのですが、いわゆる「24時間換気」は、人がたくさん集まったときの空気を賄うための設備ではありません。

整理します。建築基準法第28条の2および施行令第20条の8により、住宅の居室には換気回数0.5回/h以上の機械換気(24時間換気)が義務づけられています。ただしこれはシックハウス対策=建材から出る化学物質への対策であって、在室人数から出る二酸化炭素を賄う設計ではありません。来客で人数が跳ね上がる場面には、窓開け・レンジフード・局所換気の併用が必要です。制度の趣旨は国土交通省のシックハウス対策のための改正建築基準法の資料で確認できます。

混同しやすい数値も正確にしておきます。「CO2は1,000ppm以下」「1人あたり30㎥/h以上」——これらは建築物衛生法の管理基準で、対象はおおむね3,000㎡以上の特定建築物です。住宅はこの法律の適用外で、「住宅でもCO2 1,000ppm以下が義務」と考えるのは誤りです。住宅にとっては室内空気質の目安として広く参照される数値、という位置づけです。

設計の初期にクライアントによくお伝えするのは、「来客動線と家族動線を分けておくと、人が集まる日も暮らしが崩れにくい」という点です。人が集まりやすい傾向の方ほど、窓の位置や換気の逃げ道を最初に考えておく価値があります。

三角形が狭い人:こもれる場所を確保する(納戸→書斎の可能性)

狭い=こもって深めるタイプとされるなら、必要なのは「少人数・長時間の居場所」です。それは性格の問題ではなく、間取りで設計できる問題に置き換わります。

住宅の居室は、建築基準法第28条1項で採光のための開口部を床面積の1/7以上とるよう定められています。間取り図で「納戸」「サービスルーム」と書かれた小部屋は、この採光が足りないためにその表記になっていることが多いんです。

ところが近年、この扱いに動きがありました。2023年(令和5年)4月1日施行の改正で、住宅の居室について、床面で50ルクス以上を確保できる照明設備を設けた場合には、採光に有効な開口部の割合が原則1/7から1/10に緩和されました(建築基準法施行令第19条第3項・令和5年国土交通省告示第86号)。条文は、e-Govの建築基準法施行令で確認できます。

建築士 匠庵

つまり照明計画を工夫すれば、これまで「納戸」だった小部屋を居室として使える余地が広がった、ということ。狭い型が欲しがる「こもれる書斎」を実現しやすくなったとも言えます。

ただし断定は避けます。実際に居室として扱えるかは部屋の条件や地域の運用で変わりますので、個別の判断は建築士・施工業者や確認検査機関にご相談ください。暮らしの利の面でもう一つ。照明計画での解決は比較的低コストですが、動線を引き直す話は間取りの根本に関わりコストが大きくなります。賃貸で今すぐなら「本棚で視線を区切る」「窓際に一人分の机を置く」といった、こもれる隅づくりから始めるのが現実的です。

建築士 匠庵

狭いのは劣っているのではなく、必要な居場所が人と違うだけ。図がそれを教えてくれている、と受け取ってください。

家族で行動領域が違うとき、面積と予算をどう配分するか

家族それぞれの三角形が違えば、心地よい居場所も変わります。「休日は外に出たい人」と「家にこもりたい人」が同じ家で暮らすとき、限られた床面積と予算をどう配るか——ここは設計の悩みどころです。

ユイ

うちは夫がデートも旅行も外に出たがるのに、私は家にいたい派で…。同じ家なのに、いつも噛み合わないんです。

建築士 匠庵

それぞれの「交流の型」が違うのだと分かると、間取りの考え方も変わってきます。

一つの見方として、エネルギー量(身強・身弱)と交流の型(行動領域)を二軸で重ねる整理があります。広い型で身弱寄りなら「人は集まるが消耗しやすい」ので、来客ゾーンと逃げ込める小空間の両方が要る。狭い型で身強寄りなら「こもりたいがエネルギーは余る」ので、書斎に加えて体を動かせる作業スペースがあると回りやすい——といった具合です。ただしこの組み合わせ方は出典が限られますので、「そういう見方もあります」という程度に受け取ってください。

設計としては、家族内で過ごし方が分かれる場合、同じ住戸の中でゾーニングを分けるのが定石です。リビングを一つの大部屋にせず、開けて集える場と、区切ってこもれる場の両方を用意しておく。賃貸で間取りを変えられなくても、集まる場所と一人になれる場所を家具の配置で緩やかに分けるだけで、噛み合わなさはかなり和らぎます。限られた面積は、家族それぞれの三角形を並べ、消耗しやすい人の逃げ場を先に確保する順で考えると決めやすくなります。

算命学の行動領域に関するよくある質問とまとめ

行動領域だけで、人も相性も決まらない

ここまで読んでくださった方に、最後は正直なことを置いておきます。行動領域は年・月・日の三つの干支だけで決まります。ということは——同じ日に生まれた人は、全員まったく同じ三角形になるのです。

建築士 匠庵

「時刻を使わないのに、それで人となりが分かるの?」——この疑問はまったくもっともです。むしろ、そう思える方のほうが健全だと思います。

算命学は出生時刻を使わない占術です。だからこそ、行動領域だけで人物や相性のすべてが決まるわけではありません。実際、算命学に詳しい方の間でも「宇宙盤は相性を読む一つの技法で、これだけで答えを出すことはできない」という受け止めが共有されています。相性を二人の三角形の重なりで見る方法もありますが、その分類名は解説者によって揺れており、唯一の正解はありません。四柱推命のように時柱まで使う体系とは使う技法が違うというだけで、どちらが上ということでもありません。

では行動領域は使えないのか。そんなことはありません。自分の消耗パターンの仮説として使い、間取りの優先順位を決める材料として使う——この範囲でなら実用的です。広いから偉い、狭いから劣る、ではなく、「自分はどういう場で消耗し、どういう場で回復するのか」を考えるきっかけにする。図そのものは生年月日から決まって変えられませんが、それに合わせて居場所の作り方は変えられます。一つの技法だけで決めつけず別の角度も合わせたいときは、九星気学で自分の本命星を調べる方法のように視点を足すのもおすすめです。相性まで自分の命式に即して深めたいときは、専門の占い師に個別に見てもらうのも一つの選択肢です。

よくある質問

行動領域は広いほうがいいのですか?狭いと不利ですか?

優劣ではなく「必要な居場所の違い」と考えるのがおすすめです。広い型は人と関わる場で、狭い型は少人数で深める場で力を発揮しやすいとされます。跨いでいない領域も弱点ではありません。狭いと出ても、こもれる場所を整えれば十分に活きます。

三角形にならず線や点になるのはなぜですか?

陰占図に律音(同じ干支が並ぶ配置)があると三点が重なり、三角形が潰れて線や点になります。異常ではなく、狭い型の特徴がより強く出ている状態と読むのが一般的です。悩んで調べる方ほどこの形は多く、特別に不利というわけではありません。

算命学の行動領域と四柱推命は何が違いますか?

算命学の宇宙盤は年・月・日の三柱だけで描き、出生時刻(時干支)を使いません。四柱推命は時柱まで含む四柱を使います。使う技法体系が違うだけで、どちらが上ということではなく、目的に応じて使い分けるものです。

行動領域は一生変わりませんか?

図そのものは生年月日から決まるため、基本的に変わりません。変えられるのは、その傾向に合わせた居場所の作り方のほうです。あくまで傾向を示す一つの参考として、暮らしの優先順位を決める材料に使うのがよいでしょう。

【まとめ】算命学の行動領域を、住まいの優先順位に変える

行動領域は、命式の三つの干支を結んだ三角形で、あなたの「交流の型」の傾向を映す図でした。大切なのは、広い狭いを優劣で見ないこと。そして、その型を住まいの居場所づくりに翻訳することです。

  • 行動領域とは、年干支・月干支・日干支の三点を六十干支の円環に結んだ三角形のこと
  • 宇宙盤は六十干支を円環状に並べた図で、行動領域では時干支を使わず三柱だけを使う
  • 四つの領域は守備本能・伝達本能・攻撃本能・習得本能におおむね対応するとされる
  • 呼び方が解説者ごとに四通りに割れているが、どれも同じ四分割の言い換えにすぎない
  • 自分の行動領域は陰占の命式から年月日の干支番号を拾い、円環に結べば描ける
  • 三角形が広いほど交友の幅が広く、狭いほど少数と深く長く付き合う傾向とされる
  • 三角形が跨いでいない領域は弱点ではなく、その性質が皆無という意味にはならない
  • 陰占に律音があると三角形が潰れて線や点になり、狭い型の特徴がより強まるとされる
  • 最大の正三角形は大三合会局と呼ばれ、位相法の三合会局と同じ構造を円環上に示す
  • 行動領域の広い狭いは優劣ではなく、必要な居場所の作り方が違うという個人差である
  • 二十四時間換気は建材由来の対策で、CO2千ppmは住宅に適用されない目安にすぎない
  • 算命学は出生時刻を使わないため、同じ日に生まれた人の行動領域は全員同じ形になる
  • 来客が多くなりそうなら窓開けや局所換気を併用し、来客動線と家族動線の分離も検討する
  • こもれる場所が要るなら、納戸表記の小部屋を照明計画で活かせないか建築士に相談する
  • 行動領域は傾向を示す一つの材料であり、最終的にはご自身の状況と命式で判断する

行動領域は、当たる当たらないを競う図ではなく、自分の消耗と回復のパターンを言葉にして、間取りの優先順位を決めるための材料です。広くても狭くても、必要な居場所を整えれば暮らしは軽くなります。占術の結果はあくまで傾向であり参考ですので、最終的にはご自身の状況・命式と合わせてご判断ください。

算命学と住まいをつなぐ記事を、あわせて読んでいただくと理解が深まります。命式の読み方から住まいへの翻訳まで、次の記事が入口になります。

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この記事を書いた人

一級建築士・一級建築施工管理技士。数多くの住まいの設計・施工管理に携わってきた建築の専門家です。「同じ間取りでも住む人で運気が変わるのはなぜか」という現場での疑問から東洋占術を学び始めました。
不安を煽らず、建築の理屈で占いを読み解くのがモットー。
占いを盲信せず、建築のプロの視点で「住み心地と運気」をわかりやすく翻訳します。

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