玄関に絵を一枚飾りたい。そう思って探し始めると、「花の絵がいい」「動物画は運気が上がる」「いや動物画は玄関では避けるべき」と、サイトによって言うことがバラバラで戸惑った経験はないでしょうか。正面はNGらしいけれど、左右どちらに飾ればいいのかもサイトごとに答えが違い、結局どれを信じればいいのか分からなくなってしまいます。
この記事では、一級建築士・一級建築施工管理技士として住まいを設計してきた立場から、風水の理(ことわり)と建築の実(じつ)の両面で「玄関の絵」を読み解きます。動物画や左右の吉位のように出典間で評価が割れる論点は、隠さず両論併記した上で、石膏ボードへの安全な掛け方や賃貸での原状回復方法まで、実際に手を動かせるレベルまで落とし込みます。
- 風水で玄関に絵を飾る意味と、モチーフ・方角・五行の基本的な考え方
- 飾ってはいけない絵の共通パターンと、方角別のおすすめモチーフ・色
- 玄関入って左右どちらが吉かという流派差と、正しいサイズ・高さの目安
- 石膏ボードへの安全な掛け方と、賃貸で壁に穴を開けずに飾る方法
この記事は「占術の理(ことわり)」「建築の実(じつ)」「暮らしの利(り)」という3つのものさしで、玄関の絵を読み解いていきます。流派によって見解が分かれる部分は無理に一つに断定せず、最終的にはご自身の玄関の方位と暮らし方に合わせて選べるよう、判断材料を提示していきます。
風水で玄関に絵を飾る意味とは

まずは基本の考え方から押さえていきましょう。なぜ玄関に絵を飾ることが運気と結びつけて語られるのか、その土台が分かると、後の方角別・モチーフ別の話が丸暗記ではなく理屈として頭に入ってきます。
玄関は「気口」——陽宅三要における位置づけ
建築士 匠庵風水には、住まい全体の吉凶を左右する三つの要所を「門・房・炉(玄関・寝室・かまど)」とする「陽宅三要」という考え方があります。玄関はこの筆頭に位置づけられ、人にとっての口にあたる場所、つまり良い気も悪い気もまず入ってくる「気の出入口」とされています。玄関に絵を飾るという発想も、この「気口を整える」延長線上にある考え方です。



陽宅三要は、清代に趙九峰(ちょうきゅうほう)の著とされる古典として紹介されることが多い考え方です。ただし成立の詳しい年代や伝来の経緯については一次史料での確認が難しく、今回参照した解説も二次情報の範囲にとどまります。玄関を重視する発想そのものは、日本の家相・中国系の風水いずれにも共通して見られます。
こうした「玄関が気の入り口である」という前提は、住まいの気学の見方の土台にもなる部分です。この記事では、この前提の上で「占術の理」と「建築の実」の両方から玄関の絵を検討していきます。
なお、家相など日本古来の考え方でも玄関を重視する点はおおむね共通しています。ただし「絵を飾ること」自体は、掃除・採光・整理整頓ほど絶対的な優先度が高い項目として語られるわけではなく、あくまで気口を整えるための一手段の一つとする位置づけです。まずは玄関を明るく清潔に保つことが土台にあり、絵はその上に加える「仕上げ」と考えると無理がありません。
絵のモチーフ別の意味——花・山・水・動物・人物





そもそも、どんな絵を飾ればいいのか、モチーフごとの意味からして分かっていません。



大きく分けると、花・山や風景・水辺・動物・人物という五つの系統で語られることが多いです。花の絵は最も汎用性が高いモチーフとされ、色によって意味が変わると説明されます。ピンク系の花は恋愛運、黄色系の花は金運を高める傾向があるとされ、初めて絵を選ぶ方にも取り入れやすいモチーフです。
山や風景の絵は「良い気が湧き出す場所」の象徴として、安定運・事業運を表すとされ、人物画や動物画に比べて運気を損ないにくい無難な選択として紹介されることが多いモチーフです。水辺の絵は気の流れや仕事運を高めるとする説があり、色使いの明るい風景画とあわせて選ばれる傾向があります。
一方、動物や人物を描いた絵は、出典によって評価が大きく割れるモチーフです。「開運効果が高い」とする説と「玄関では避けるべき」とする説の両方があり、この対立については後ほど詳しく取り上げます。まずはここで「動物画・人物画は判断が分かれる」ということだけ押さえておいてください。絵だけでなく観葉植物で玄関を彩りたい方は、風水でモンステラを置く方角もあわせて参考になります。
方角・五行・色の対応——なぜ方角で選ぶ絵が変わるのか
風水では、住まいを取り巻く八つの方位それぞれに、木・火・土・金・水という五つの気(五行)を割り当てて考えます。北は水、東・南東は木、南は火、北東・南西は土、西・北西は金、という対応が一般的な整理として紹介されています。五行には「水は木を育て、木は火を燃やし、火は灰となって土を肥やし、土は金を生み、金は水を生む」という相生(そうしょう)の関係があり、その方位の気を補う色や意味を持つ絵を選ぶ、というのが基本ロジックです。
方位区分を8方位で見るか24方位まで細かく見るか、また色の細目をどこまで割り当てるかは、サイトや流派によって差があります。以下は代表的な傾向として一般的な目安で示すもので、断定的な一対一対応表ではありません。
| 方位 | 五行 | 傾向とされる色・意味 |
|---|---|---|
| 北 | 水 | 青・黒系。落ち着き・仕事運を支えるとされる |
| 東・南東 | 木 | 青・緑系。成長運・発展運と結びつくとされる |
| 南 | 火 | 暖色系。活力・人気運を後押しするとされる |
| 北東・南西 | 土 | ブラウン・ベージュ・黄色系。安定を支えるとされる |
| 西・北西 | 金 | 白・シルバー・ゴールド系。金運を意識する方に向くとされる |



この表はあくまで「傾向」であり、絶対の正解ではありません。まずはご自宅の玄関がどの方角を向いているかを把握することが出発点になります。ご自身の家の吉方位を具体的に確認したい方は、無料の風水自動計算ツールでおおまかな傾向をつかんでおくと、この後の話がぐっと具体的になります。
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風水 自動計算ツールを使ってみる →流派による捉え方の違い——八宅派と玄空飛星派
風水には複数の流派があり、玄関そのものの捉え方が根本的に異なります。八宅派は玄関(門)を住まいの「口」として重視し、住む人の生年から割り出す本命卦にもとづいて、生気・天医・延年などの吉方位に門を配置することを説きます。「絵で方位の気を補う」という発想は、この八宅派の考え方と親和性が高いといえます。
一方、玄空飛星派は建物の向き(南面する方角)と建築年から割り出す144通りの飛星図で吉凶を判断する流派で、時間の経過とともに運が変化するという時間軸の考え方を持ちます。この立場からすると、絵単体で「この方角にはこのモチーフ」と断定するのは本来難しく、建築年・向きごとの飛星図と合わせて初めて判断できるものになります。



つまり、絵で方角の気を補うという考え方自体、流派によって重視度が違います。絶対の正解があるわけではなく、自分の玄関の方位と暮らし方に合わせて選んでよいというのが、ここまでの前提を踏まえた結論です。この結論を土台に、次の章では具体的な選び方とNGパターンを見ていきます。
玄関に飾る絵の選び方とNGパターン


ここからは実践編です。避けたほうがよい絵の共通パターン、方角別のおすすめモチーフ、飾る位置、サイズの目安、そして評価が割れる動物画・人物画の扱いまで、順番に整理していきます。
飾ってはいけないとされる絵の共通パターン





モチーフの吉凶を細かく議論する前に、まず押さえてほしい原則があります。それは「絵の状態」です。鋭い目線でこちらを見据える人物画、刃物や争いを描いた絵、割れ物や壊れた物を描いた絵、枯れた植物やドライフラワーの絵、暗く重い配色の絵、そして汚れた額やガラス――これらは複数の出典で共通して「避けるべき」とされています。



モチーフより先に、絵そのものの状態を見ればいいんですね。それなら分かりやすいです。



そのとおりです。「気を招き入れる装置が汚れていると、機能が反転する」という考え方が背景にあります。これは占いの理屈である以前に、単純に「玄関を明るく清潔に保つ」という当たり前の生活習慣と一致します。なお、完成したジグソーパズルの絵についても「分裂・分断」の象徴として玄関に不向きとする説があり、飾る場合はモチーフや状態にあわせて置き場所を検討するとよいでしょう。
まずはモチーフ選びより先に、今飾っている絵やこれから飾る絵が「明るく」「清潔で」「壊れていない」状態かどうかを確認する。これが、流派を問わず共通して実行できる一次原則です。絵に限らず玄関全体を風水的に整えたい方は、風水で玄関に置くと良いもの10選もあわせてご覧ください。
方角別・おすすめのモチーフと色
先ほどの方位と五行の対応をもとに、絵のモチーフと色を選ぶ場合の目安を整理すると、次のようになります。
| 方位 | おすすめのモチーフ・色(一般的な目安) |
|---|---|
| 北 | 水辺の絵、青系・黒系の落ち着いた色調 |
| 東・南東 | 花・緑の風景画、青系・緑系の爽やかな色調 |
| 南 | 太陽や明るい風景、暖色系の絵 |
| 北東・南西 | 山の絵、ブラウン・ベージュ・黄色系の絵 |
| 西・北西 | 花や実りの絵、白・シルバー・ゴールド系の絵 |
この対応も、五行の割り当て方や色の細目がサイトによって異なるため、断定的なルールではなく一つの目安として捉えてください。絵のモチーフを選ぶ際に「絶対にこの色でなければならない」と神経質になる必要はなく、インテリア全体の調和を優先しても構いません。
色やモチーフを方角に合わせつつも、実際に選ぶときは額縁の素材や質感にも目を向けると失敗しにくくなります。木製フレームは土・木の気と、金属フレームは金の気と相性が良いとされる説もあり、方角の五行と額縁の素材まで揃えると統一感が出しやすくなります。もちろん、インテリア全体の雰囲気を崩さないことが大前提です。
方角別のおすすめモチーフに沿った絵やアートパネルを探したい方は、以下からチェックしてみてください。
玄関入って左右どちら?——正面NGと位置の流派差





絵を飾る位置についてもいろいろな説を見かけます。玄関の真正面はダメだと聞きますが、それなら左右どちらに飾ればいいんでしょうか。
玄関の真正面に絵を飾ることを避けるのが基本、という点は多くの出典で共通しています。正面の絵は入ってくる気を跳ね返したり、せき止めたりすると考えられているためです。ただし「左右どちらが吉か」については、情報源によって表現が分かれます。「玄関入って右側は青龍位と呼ばれ、財運・対人運を運ぶ好位置」とする説がある一方、鏡については「置くなら入って左側が良い」とする説もあり、左右の吉位表現がサイトによってぶれているのが実情です。また、この左右の基準を「建物の中から外を見て」判断するか「外から建物を見て」判断するかも、流派や解説者によって異なりうる点に注意が必要です。
占術の理だけで決めきれない場合、建築的な観点を加えるのが実務的な判断基準になります。玄関に入って正面を避けた上で、採光を妨げにくく、靴の脱ぎ履きや来客の動線上でデッドスペースになりにくい壁面を選ぶと、風水的にも生活動線的にも無理のない配置になります。設計の現場では、コンセントやスイッチ、建具の開閉範囲と干渉しない壁面を優先的に候補に挙げることが多いです。



左右どちらが絶対に正しいと言い切れる状況ではないからこそ、正面を避けるという共通ルールを守った上で、ご自宅の玄関で実際に絵を掛けやすい壁面を選ぶ、という順番で決めていただくのがおすすめです。
サイズ・高さの目安とチェックリスト
絵のサイズや高さについては、風水的な意味合いよりも実務的な目安として語られることが多い論点です。壁面の広さに対して絵が小さすぎても大きすぎてもバランスが悪くなるため、次の目安を参考にしてください。
- サイズは壁面幅のおよそ2/3程度を目安にする
- 初めて選ぶ場合はA4サイズ以上を目安にすると小さくなりすぎない
- 高さは目線よりやや上、床上140〜160センチメートルあたりが一般的な目安
- 家族の身長差がある場合は「無理なく見える高さ」を優先して微調整する



この高さの考え方は、実は玄関に飾る時計の位置とも共通しています。見上げる位置は気を上向きにするとされる一方、建築的にも家具や人の頭で隠れにくく視認性が高いという合理性があります。風水で時計の位置を選ぶときの考え方も、高さの決め方という点で参考になります。
サイズや高さの目安はあくまで出発点です。廊下が狭くすれ違いにくい玄関では、大きすぎる額縁がかえって圧迫感や通行の妨げになることもあります。玄関全体の広さと動線を見渡したうえで、目安の数値に無理に合わせすぎず、実際に壁面に仮当てして確認してから決めることをおすすめします。
動物画・人物画は飾っていい?——両論併記の結論


ここまで先送りにしてきた、動物画・人物画の評価について整理します。龍・虎・馬などの動物モチーフは、「開運効果が高い」とする説がある一方、「動物は運気を大きく増幅するため配置を誤ると凶を強める」「玄関では動物・ペットの絵は避け、リビングや寝室に飾るのが望ましい」とする慎重論も多く見られます。この二つは明確に対立しており、どちらか一方が正しいと断定することはできません。
人物画・家族写真についても、「玄関から人を追い出すことに通じる」として避けるべきとする説が多数派として見られる一方、方位によっては家族写真を推奨する記事も一部確認されており、こちらも断定的な扱いはできない論点です。



動物画・人物画の吉凶は、流派や論者によって評価が真っ二つに割れる典型的な論点です。鑑定の場でよくお伝えするのは、モチーフの吉凶そのものよりも、まず「玄関が明るく清潔に保たれているか」が気の巡りに直結するという点です。動物画・人物画を飾りたい場合も、まずはこの記事の前半で触れたNGパターン(暗い・汚れている・壊れている)に当てはまらないかを確認し、迷ったときは花や山などの評価が割れにくいモチーフを選ぶのが無難な判断だと考えています。
無難なモチーフの絵やアートパネルを探す場合は、こちらもあわせてご覧ください。
建築士が教える、玄関の絵の飾り方


ここからは建築の実の話です。絵をどう選ぶかが決まっても、実際に安全に、そして長く美しく飾れなければ意味がありません。石膏ボードへの掛け方から、賃貸での代替手段、採光や湿気への配慮、そして新築・リフォームでの壁面計画まで、実務の視点で解説します。
石膏ボード壁への安全な掛け方


日本の住宅の内壁の多くは石膏ボードでできています。石膏ボードは強度が高い素材ではないため、通常の木ねじやピンでは保持力が弱く、時間が経つと抜けてしまうことがあります。基本になるのは、斜めにピンが入り抜けにくい構造の「石膏ボード専用フック」を使うか、壁の中にある柱・間柱などの下地の位置を確認したうえでビス留めする方法です。下地の位置は、壁を軽く叩いたときの音の違いや、下地探し用の工具で確認できます。
石膏ボード壁への額装現場では、下地の位置を確認せずにピンだけで重量のある額を掛けてしまい、落下・破損につながったというケースが実務上よく相談されます。額縁のサイズが大きくなるほど、また額装にガラスを使うほど重量は増えるため、専用フックの耐荷重表示を必ず確認し、余裕を持った製品を選ぶことが大切です。



「良い絵を選んだのに、掛け方が原因で落として割ってしまった」というのは、風水的にも建築的にも避けたい事態です。まずは安全に掛けられる方法を選ぶことを優先してください。
なお、地震の多い日本では、額装のガラス面が万一の落下時に飛散するリスクも考えておきたいところです。玄関のように毎日必ず通る動線上に飾る場合は、飛散防止フィルムを貼ったアクリル面の額縁を選ぶ、あるいは軽量なアートパネル(ガラスなしのキャンバス地)を選ぶのも、建築的な安全性を優先した現実的な選択肢の一つです。
賃貸で壁に穴を開けずに飾る方法





賃貸なので、壁に大きな穴を開けられません。それでも風水的にいい絵を飾りたいのですが、方法はありますか。
賃貸住宅でも、原状回復可能な方法はいくつかあります。代表的なものが、貼ってはがせる粘着シール式フックです。軽量の額(目安として1キログラム以下程度)であれば対応できる製品が多く出ています。壁に穴を開けたくない場合は、天井のレールにワイヤーで額を吊るす「ピクチャーレール」や、床から天井までを突っ張って固定する突っ張り棒式のディスプレイラックも選択肢になります。
粘着フックやピクチャーレールには、製品ごとに表示された耐荷重があります。額縁の重量(ガラス・マットを含めた実際の重さ)を必ず確認し、表示された耐荷重の範囲内で、できれば余裕を持った製品を選んでください。耐荷重を超えた使用は落下の原因になります。



賃貸だからといって、風水を意識した玄関づくりをあきらめる必要はありません。原状回復できる方法を選べば、引っ越しの際にも困りません。
退去時のトラブルを避けるという意味でも、原状回復可能な方法を選ぶメリットは大きいといえます。粘着フックは長期間貼りっぱなしにすると跡が残りやすくなるため、模様替えのタイミングで一度貼り直す、剥がすときはドライヤーで温めてからゆっくり剥がすといった一手間も、賃貸で安心して飾り続けるためのポイントです。
採光・湿気を踏まえた設置場所選び
窓のない玄関や北向きの玄関は、日中でも暗くなりやすい場所です。暗さは同時に湿度が上がりやすい要因にもなるとされ、対策として採光窓やガラス面のある玄関ドアへの交換、照明計画の見直しが住宅メーカーからも提案されています(LIXIL「光を採り入れて明るい玄関に!」)。
暗く湿気がこもりやすい玄関では、額装のガラス面が結露や劣化の影響を受けやすくなる点も、実務上の留意点として挙げられます。今回確認した範囲では、額装と湿気の直接的な因果関係を専門的に検証した資料までは見当たらなかったため、あくまで一般的な建築上の留意点として捉えてください。対策としては、外気に近い壁面や窓のすぐそばを避け、玄関の中でも比較的湿気の影響を受けにくい壁面を選ぶこと、そして定期的に額のガラス面を拭き取ることが挙げられます。
清潔に保つことは、占術的にも「気を招く装置が汚れていると機能が反転する」という考え方と重なります。占いと生活習慣、どちらの理由からも「拭き取る」という行動にたどり着くのは、興味深い一致です。
新築・リフォームで玄関の壁面計画に絵を組み込む視点





玄関の絵選びは、実は壁面計画そのものです。新築やリフォームで間取りを検討している段階なら、絵を飾る壁面をあらかじめ設計に組み込んでおくことをおすすめします。
設計の現場では、コンセントやスイッチの位置、建具の開閉範囲、来客・家族の通行動線を踏まえて、絵を掛けても干渉しない壁面をあらかじめ確保しておくという視点を持つことが多いです。玄関収納の扉の可動域や、宅配ボックス・インターホンの配線ルートなども合わせて検討すると、後から「掛けたい場所に絵を掛けられない」という事態を避けられます。方位・モチーフの選び方だけでなく、こうした壁面計画まで含めて考えるのが、建築士が関わる強みです。
玄関だけでなく住まい全体の間取りとあわせて風水を考えたい方は、風水で良い間取りの例もあわせてご覧ください。玄関・水回りなど場所別の考え方が整理できます。
玄関の絵だけでなく、住まい全体の風水が気になってきた方は、一級建築士による間取り診断という選択肢もあります。
玄関に飾る絵の風水に関するよくある質問とまとめ
最後によくある質問と、この記事のまとめです。ここまでの内容を振り返りながら、実際に絵を選ぶときのチェックリストとして活用してください。
よくある質問
Q. 玄関の絵は正面に飾ってはいけない?
A. 玄関の真正面に絵を飾ることは避けるのが基本とされています。入ってくる気を跳ね返す、あるいはせき止めると考えられているためです。飾るなら、玄関に入って左右どちらかの壁面を選ぶのが一般的な目安です。
Q. 玄関に飾る絵は左右どちらがいい?
A. 情報源によって表現が分かれる論点です。「右側が青龍位で好位置」とする説がある一方、左側を勧める説もあります。左右の基準(建物内から見るか外から見るか)も流派で異なるため、断定はできません。採光や動線など建築的な使いやすさもあわせて判断するのが実務的です。
Q. 玄関の絵に適したサイズ・高さの目安は?
A. サイズは壁面幅のおよそ2/3程度、初めてなら少なくともA4サイズ以上が目安です。高さは目線よりやや上、床上140〜160センチメートルあたりが一般的な目安とされますが、家族の身長差に合わせて調整して構いません。
Q. 龍や富士山の絵は本当に効果があるの?
A. 龍などの動物画は「開運効果が高い」とする説と「玄関では避けるべき」とする説が対立しており、断定はできません。富士山を含む山の絵は、動物画・人物画に比べて評価が割れにくく、無難な選択とされることが多いモチーフです。
Q. 子どもの手作りの絵を玄関に飾ってもいい?
A. 明るく元気な色使いで、状態が良ければ問題ないとされます。この記事の前半で触れた「暗い」「汚れている」「壊れている」といったNGパターンに当てはまらなければ、モチーフの厳密な吉凶にこだわりすぎる必要はありません。
まとめ|絵選びは占術の理と建築の実の両輪で
玄関の絵は、方角や五行にもとづく占術の理と、石膏ボードへの掛け方や採光・動線といった建築の実、その両方を重ねて考えることで、無理なく美しく飾れるようになります。動物画や左右の吉位のように評価が割れる論点は、無理に一つの答えに決めつけず、明るさ・清潔さという共通の一次原則を軸に選んでいけば大きく外すことはありません。
- 玄関は気口と呼ばれる場所で絵を飾ることも気の入り口を整える発想の一つとされる
- 花の絵は最も汎用性が高くピンク系は恋愛運黄色系は金運を高める傾向とされる
- 山や風景の絵は安定運や事業運の象徴とされ無難に選びやすいモチーフとされる
- 動物画の吉凶は出典によって評価が真っ二つに割れるため断定的に選ばない
- 人物画や家族写真は避けるべきとする説が多いが方角次第で例外の説もある
- 方角と五行色の対応表は流派差があるため断定せず一つの目安として捉える
- 八宅派と玄空飛星派では玄関そのものの吉凶の捉え方が根本的に異なる
- 暗い絵汚れた額壊れた物を描いた絵は複数の説で共通して避けるべきとされる
- 玄関の真正面に絵を飾ることは避けるのが基本的な考え方とされている
- 玄関に入って左右どちらが吉位かは情報源によって表現が分かれ注意が要る
- 絵のサイズは壁面幅の2/3程度高さは目線よりやや上が一般的な目安になる
- 石膏ボードの壁には専用フックの使用か下地の位置を確認してから掛ける
- 賃貸では粘着フックやピクチャーレールなど原状回復できる方法を選ぶとよい
- 採光が乏しく湿気がこもりやすい玄関では額のガラス面の結露にも注意する
- 絶対の正解はなく自分の玄関の方位と暮らし方に合わせて選んでよいとされる
玄関の絵は、方角・モチーフ・位置のどれも「絶対の正解」があるわけではありません。占術の理と建築の実を両輪に、最終的にはご自身の状況・命式と合わせてご判断を。壁への設置や壁面計画に不安がある場合は、建築士・施工業者にご相談を。
玄関の絵だけでなく、玄関全体の風水やインテリア、住まい全体の間取りまで整えたい方は、次の記事もあわせてどうぞ。方角別の考え方を、絵以外のアイテムにも広げて確認できます。










