こんにちは、住まいの気学の匠庵です。インテリア風水は、方角に合う色を先に決め、置物は後から加える順番が基本です。サイトや本を見比べるたびに東の色が違い、何から手をつければよいか分からなくなる方は多いのではないでしょうか。
この順番は、多くの日本の解説が使う五行の考え方に沿ったものです。流派によっては、方位より先に生まれ年から出す命卦や、家が建った年と向きを見ます。それでも色を先にするのは、壁やカーテンのように面積が大きく、費用がかかり、戻しにくいものほど先に決めたほうが失敗が少ないという、暮らしの利があるからです。
占術の理で前提をそろえ、建築の実で色の見え方と安全面を確かめ、暮らしの利で賃貸や予算に合う落としどころを探します。この3つのものさしで、色と置物の順番を組み立てていきます。植物の置き方は観葉植物の風水の基本で詳しく扱っていますので、そちらをご覧ください。
風水の全体像から知りたい方は、先に風水とはの解説をどうぞ。
- 色を先に決めて置物を後に回す理由
- 方角ごとの色が情報源で違う理由
- 家の中心と方角の測り方
- 賃貸でも始められる色と置物の順番
インテリア風水とは?基本と最初にやる順番

この章では、インテリア風水に出てくる用語、方角で色が変わる理由、方角の測り方、色や置物の前に整える土台を順に見ていきます。方角を確かめる前に済ませておきたいことがあるので、そこまで進みます。
インテリア風水の基本用語|気・陰陽・五行
気・陰陽・五行は、インテリア風水を読むときに最低限そろえておきたい三つの言葉です。成り立ちの詳しい話は冒頭の風水の解説記事に任せて、ここでは部屋づくりに必要な範囲だけをやさしく言い換えます。
気は、空間や人の状態に漂う「流れや勢い」のようなものです。陰陽は、明るさと暗さ、動と静のように、物事を二つの性質の釣り合いで見る考え方になります。五行は、木・火・土・金・水の五つの性質で物事を分類する体系で、方位や季節、色にも当てはめられてきました。
ここで押さえたいのは、五行の色の対応は「分類の体系」であって、部屋の色を決める処方箋そのものではない点です。『黄帝内経』の『素問』陰陽応象大論には、東方に蒼、南方に赤、中央に黄、西方に白、北方に黒という対応が出てきます。ただし『素問』は後世にまとめられた医学古典で、風水の書ではありません。
しかも「蒼」は青から青緑までの幅を持つ色名で、現代の「青」や「緑」への読み替えは解釈にすぎません。成立の年代にも諸説があり、古典の記述をそのまま内装の色に置き換えられるわけではないのです。
壁やカーテンの色を方角に合わせよと手順まで述べた古典を、私は把握していません。方角と色を結ぶ内装の考え方は、五行の配当を近代以降に住まいへ応用したものと見るのが、私の認識です。
日本で「風水」と呼ばれるものの多くは、家相や九星気学のアレンジでもあります。1994年に荒俣宏さんの『風水先生』が刊行されてブームになり、一般にも広く知られるようになりました。
つまり風水には流派が複数あり、同じ部屋でも流派によって答えが変わることがあります。この点は、次の章で具体的に見ていきます。
ユイ気とか五行とか、言葉が多くて混乱してしまいます。



全部覚える必要はありません。「気は流れ、陰陽は釣り合い、五行は分類」の三つで足ります。ここまでが占術の理の入口です。
方角に合う色は流派で変わる
同じ「東」でも、情報源によって勧める色が違います。通俗的な解説の2例を見比べると、東はブルー系とするものと、グリーンやブルー系とするものに分かれ、北もネイビーや水色といった別々の色が並びます。誰かが間違っているというより、拠って立つ考え方が違うのです。
日本の解説の多くは、五行の配当に色を結びつけます。木は東と南東、火は南、土は南西と北東と中央、金は西と北西、水は北という振り分けが一般的です。この前提に立てば、「方角を先に確かめ、そこに合う色を選ぶ」順番になります。
が、八宅派は生まれ年から出す命卦と家の向きで吉凶を決め、玄空飛星派は家が建った年と向きの組み合わせで見ます。どちらも、方位ごとに固定の色表を前提にしていません。五行配当の表は日本の解説がまとめたものであり、流派差があるものとして読むのが安全です。
五行配当で色を見る解説では、方角ごとに合う色が挙がります。八宅派は命卦と坐山、玄空飛星派は建築年と坐向で吉凶を見るため、方位固定の色表は前提にしません。どれが正しいかを断定できるものではなく、基準にする表の体系を先に決めるのが目安です。
有名な「西に黄色」も、小林祥晃(Dr.コパ)氏の格言集に収められている言い回しで、古典や流派の定説ではありません。西は五行で金にあたり、白や金色が基本とされるなかで、黄色を勧める流儀もあるわけです。格言として知られていても、定説とは分けて読んでおくと混乱が減ります。
本記事では、八方位の色を一覧にはしません。八方位ごとに合う色と避けたい色は、風水の方角と色の関係でまとめています。まず自分が使う表が五行配当のものか別の体系のものかを確かめてから、ご覧になってください。
匿名の相談サイトでは、「方位ごとの吉色は風水本の著者によってばらばら」と答える回答もあります。迷うのは当然で、ご自身の読み方が悪いわけではありません。日本の家相は鬼門など方位と間取りの形が中心で、色の話が主役でないことも、頭の片隅に置いておくと役に立ちます。



サイトごとに東の色が違って、選べません。



同じ五行でも「基本の色」と「運気別の色」を並べる流儀があり、一覧表にはその違いが混ざります。表の出どころを確かめるのが先です。
家の中心と方角の測り方


方角を決める手順は3つです。まず家の中心を出し、次に八方位に分け、最後に磁北と真北のずれを補正します。ここは建築の実にあたる、精度の話になります。
- 間取り図の対角線の交点から、家の中心を出す
- 360度を8つに分け、1方位45度で境を引く
- 磁北と真北のずれを補正して、図面の方角を合わせる
①の家の中心は、間取り図の対角線の交点を目安にします。凹凸のある家では、どこまでを外形とみなすかで中心の位置が動くため、この取り方にも流派差があります。詳しい手順は風水の方角の見方で説明していますので、図面を片手にどうぞ。
②の八方位は、360度を8で割って1方位45度です。区切りの引き方にも考え方の違いがあり、九星気学の方位は九星気学の方位とはで別にまとめています。家の中心の目安を出したいときは、間取り図の画像を読み込める無料の間取り診断ツールも使えます。
③が見落とされがちです。スマートフォンのコンパスは磁北を指しますが、地図や図面の北は真北で、日本は全域で磁北が真北より西へずれています。
関東・近畿・四国・北九州で約6〜8度とされ、45度の幅に対して約6分の1から5分の1にあたります。窓や壁が方位の境目に近い家では、隣の方位に入ってしまうこともあるわけです。
お住まいの地域の値は、国土地理院が公開している磁気図(2020.0年値)で確かめられます(出典:国土地理院『磁気図』)。数字を見るだけでなく、ご自宅の窓がどの方位に入るかを、図面の上で確かめてみてください。
私はこのように認識していますが、中心の取り方や区切り方がこの手順だけとは限りません。流派や書き手によって異なる点があることを、ご了承ください。まずは一度、ご自宅の八方位を図面に引いてみると、色選びの土台ができます。
図面の北と方位磁石の北は、ずれていることがあります。図面の方位マークがどちらの北を指しているかを、最初に確かめてください。
色や置物の前に整える3つのこと
色や置物に入る前に済ませておきたい土台は、3つに絞れます。
- 片付けと掃除で、部屋の物の量を減らす
- 窓まわりと通り道をふさがない
- 動かせない色(壁・床・建具)と日当たりを確かめる
賃貸内見サイトOHEYAGOを運営するイタンジの調査(2022年2月)では、インテリアで気にする条件として、寝る方角が35.1%、整理整頓が30.3%、縁起の良い色が24.8%でした。調査対象は同サービスのTwitterフォロワーで、傾向をつかむ程度の資料ですが、色より前に気にされる項目があることは分かります。色や置物は、整えた部屋に足してこそ映えるわけです。
1つ目は片付けと掃除です。物が多いままでは、どの色が効いているのかも、置物がどこに収まるのかも見えません。物の量の減らし方や動かし方、複数のルールがぶつかったときの優先順位は、風水で模様替えで詳しく扱っています。
2つ目は窓まわりと通り道です。建築基準法第28条は、居室に採光用の窓と換気用の窓を設けることを定めています。大きな家具や置物で窓をふさいでしまうと、光も風も人の動きも損なわれ、風水以前に住みにくくなります。
3つ目は、壁・床・建具といった動かせない色と、窓の日当たりです。あとから選ぶカーテンやラグは、すでにある色との相性で見え方が決まります。西向きの窓は夕方まで日射が入って暑くなりやすいので、色の前に遮熱や日射を防ぐ手当てを考えておくと、暮らしの利が大きくなります。



引っ越したばかりで、まずカーテンから決めたいのですが。



気持ちは分かりますが、先に窓の向きと今ある壁・床の色を確かめましょう。カーテンは面積が大きいので、色の相性を外すと目立ちます。
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インテリア風水で色を選ぶ3つの原則


色を選ぶ3つの原則は、方角、面積、ベースとアクセントの順です。そのあとで、光の条件と、賃貸でできる範囲にも触れます。八方位ごとの色の詳細は、専用の記事に譲ります。
原則1 方角を確かめてから色を決める
色を決める最初の原則は、先に自宅の方角を確かめることです。前の章の手順で出した方角を、「どの体系の表を使うか」に合わせて色の候補に変える、という流れになります。八方位の表そのものは、ここでは作りません。
方角を確かめる手間が大きいのは、八宅の方位が個人の命卦で変わるからです。生まれ年と性別から命卦を出し、家の向きと組み合わせて吉の方位を割り出す作業は、手計算だと間違えやすくなります。色や置物を選ぶ前に、自動計算ツールで自宅の八宅方位を確かめておくと、あとの判断が楽になります。
さて、建築の実の側からも、色の前に確かめたい条件があります。北側の窓は直射が入りにくく、部屋が暗くなりやすい。
西側の窓は夕方まで日射が入るため、暑さを先に手当てしたほうが暮らしやすくなります。風水の色を足す前に、光と暑さの条件を知っておくわけです。
北の色については、解説が割れています。匿名の相談サイトでも、北窓は暗くなるので暖色や明るい色を勧める意見と、北は黒や濃紺とする意見が並んでいました。
こうした食い違いは、前の章で見た「どの体系の表か」で説明がつきます。五行配当の表なら北は水、八宅なら命卦と向き次第、という具合です。
手順にすると、次の流れです。
- 家の中心と八方位を図面で出す
- 使う表の体系(五行配当か、八宅か)を決める
- 光と暑さの条件を見て、色の候補を絞る
占術の理と建築の実の両方が、ここで重なります。風水の色が優先か、日射の手当てが優先かで迷ったら、建築の実を先に片づけてください。好みの色も、候補に入れてかまいません。



方角を確かめてから色を決める、これが最初の原則です。表を見る前に、自分の方角を知っておきましょう。



自分の方角が分からないと、始まりませんね。
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風水 自動計算ツールを使ってみる →原則2 面積の大きいものから色を決める


色を決める順番は、部屋の中で面積の大きい順です。壁・床・カーテン・ラグから始め、家具、小物へと進みます。大きな面積の色が部屋の印象を決めるため、風水の色を小物で足す前に、大面積を確定させておく必要があるわけです。
- 壁・床・建具・カーテン・ラグ
- 家具
- クッションや置物などの小物
ここで気をつけたいのが、色見本と実物のズレです。実際に塗った色は、小さな色見本より明るく見えやすいことが知られています。設計の現場でも定番の注意点で、大きめの見本や試し塗りで、昼と夜の両方を確かめるのが堅実です。
建築の実としては、火を使う部屋の仕上げにも触れておきます。建築基準法第35条の2は、壁・天井の仕上げを防火上支障がないものとすることを定める規定で、火を使う調理室なども対象に含まれます。一戸建て住宅の火気使用室については、平成21年国土交通省告示第225号に特例があり、火気設備の周辺は不燃材料などで強化し、それ以外の部分は木材や難燃材料も認められています(出典:国土交通省『準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める告示』)。
これはすべての戸建てに当てはまると言い切れるものではなく、階数や条件で変わります。色より先に、キッチンなど火を使う場所で使える仕上げ材の条件を確かめておくと、貼り替えのやり直しを避けられます。なお、カーテンは壁・天井の仕上げではないため、この規定の対象には入りません。
壁紙やカーテンの色の選び方は、それぞれ詳しく語れる主題です。ここでは「大きいものから決める」という順番だけを持ち帰ってください。賃貸での「変えやすい順」は別の話で、後の章で触れます。
最終的にはご自身の状況・好みと合わせてご判断を。仕上げ材の防火条件を含む建築・リフォームの判断は、建築士・施工業者にご相談ください。
壁や天井を貼り替えるときは、火気使用室かどうかと、使える仕上げ材の条件を先に確かめます。
原則3 ベース色とアクセント色を分ける
部屋の大面積はベース色にして、風水の色はクッションやラグ、小物などのアクセントで足します。ベース色は落ち着いた色で部屋の印象を支え、アクセント色は五行の色を取り入れる役です。この役割分担が、好みと風水を両立させる近道になります。
- ベース色:壁・床・大型家具に使う、落ち着いた色
- アクセント色:クッション・ラグ・小物に使う、風水の色
五行の色は一色に絞られず、幅があります。方位ごとに複数の推奨色が挙がる解説も珍しくなく、緑やブルー、ベージュと選択肢が広いわけです。部屋のテイストを崩さない色を、その幅のなかから選べます。
ここは言い切ります。好きな色を押しのけてまで守るのは、風水の本来の目的ではありません。
匿名の相談サイトでも、「好きな色でよい」「壁や家具とのバランスで決める」という回答が目につきました。暮らしの利の面でも、毎日目にする色は好きな色のほうが長続きします。
年ごとの運気を踏まえた色は、同じ年でも勧める色が逆になる解説があります。火を足す色を勧めるものもあれば、火を抑える色を勧めるものもあるのです。そのため、アクセントの候補の一つとして軽く扱う程度が安全です。
随分と色の話を細かく進めましたが、要は「ベースは静かに、アクセントで足す」の一点です。比率の数字は決めず、部屋を見ながら足していけば十分です。
足してみて落ち着かなければ、クッションカバーを替えるだけで元に戻せます。戻しやすいアクセントから試すのは、失敗を小さくする方法でもあります。



部屋のテイストを崩したくなくて、風水の色を入れるのをためらっています。



大面積は今のテイストのままで大丈夫です。クッション一つから足せば、崩れる心配は小さくなります。
照明と素材で色の見え方は変わる


同じ色でも、光源と素材によって見え方が変わります。色を決める前に、今の照明の下で確かめるのが堅実です。ここは建築の実にあたる話になります。
光色は、色温度が3,000K以下だと赤みを帯び、7,000K以上になると青みを帯びます。物体の色の見えは、光源と物体の反射率の両方で決まります。長く過ごす部屋では、色の再現性を示す平均演色評価数が高い光源が向いていて、JISは長時間滞在する室でRa80未満の光源を避けるよう案内しています。
明るさにも目安があります。メーカーが掲載するJIS Z 9125:2023の表では、居間での読書は500lx、食卓は300lxとされています。照明を替えると、同じ壁紙やカーテンの色の印象が変わることも、設計の現場ではよく話題になります。
素材の艶や質感でも、色の印象は変わります。つや消しの布は落ち着いて見え、光沢のある素材は光を返して明るく見えやすい。同じ色名でも、素材が違えば別の色に感じられることがあるわけです。
新しい家具や壁紙を入れた直後は、換気も忘れずにしてください。ここは一般的な注意として、窓を開けて空気を入れ替えるだけで十分です。
カーテンやラグを選ぶときは、店内の照明と自宅の照明が別物だと考えておくと失敗が減ります。店で見て決めた色が、帰宅して夜の電球色の下で見ると沈んで見える、という行き違いは定番のズレです。可能なら、サンプルを持ち帰って部屋で確かめるのが、いちばん確実な方法になります。
確かめ方は次のとおりです。
- 昼の窓の光で、色見本や布のサンプルを見る
- 夜に、今の照明をつけた状態で同じものを見る
- 電球色と昼白色の両方があれば、切り替えて見比べる
電球は色温度だけでなく、演色性の表示も見ます。長く過ごす部屋ほど、昼と夜の両方で確かめておくと安心です。
賃貸でもできるカラー風水の取り入れ方


賃貸や既存の住宅では、壁紙や床を変えにくいものです。変えやすい順に、小物やクッション、カーテンやラグ、照明、壁紙や塗装と進めれば、無理なく色を取り入れられます。
- 小物・クッション
- カーテン・ラグ
- 照明
- 壁紙・塗装
ここで、前の「面積の大きい順に決める」原則との違いをはっきりさせておきます。「決める順」は大面積から、「変える順」は小物から、と別の順番です。賃貸では壁を変えられないので、すでにある大面積の色を前提に決め、変えられる小物から足していけば、矛盾なく両立します。
貼ってはがせる壁紙や、置くだけの床材を使う場合も、契約や管理会社の規定で可否が分かれます。貼る前に、賃貸借契約書と管理会社の案内で、壁や床に手を加えてよい範囲を確かめてください。確かめる先を決めておくと、あとで困りません。
匿名の相談サイトには、賃貸ワンルームで動かせない家具のまま、白い薄手のカーテンにした、という相談がありました。小物だけでも意味があるのかと不安になるのは自然なことです。色の取り入れ方が戻しやすいほど、気軽に試せるのが、賃貸の暮らしの利です。
自分の命式の五行から色を選ぶ軸もあります。算命学で出した守護神の五行を住まいに取り入れる考え方は、守護神の五行を活かす開運インテリアと方位の整え方で解説しています。方角から入るやり方と、命式から入るやり方があることも、知っておくと選びやすくなります。



賃貸で壁も家具も動かせません。小物だけでも意味はありますか。



あります。小物やクッションは、戻しやすく費用も抑えられます。まずそこから足して、様子を見ましょう。
置物・風水グッズを取り入れる順番


色が決まってから置物を足す理由、種類ごとの判断の軸、鏡・水・火の注意、買い足す前のチェックの順に見ていきます。
置物は色が決まってから加える
置物は、色が決まった後に足すのが基本です。理由は3つあります。置物にも色と素材があり、先に買うと後から色の整合が取れなくなること、費用がかさみやすいこと、戻しにくいことです。
占術側に「置物は後」という古典的な根拠があるわけではありません。ですから、占術の理としてそう書くことは避けます。あくまで暮らしの利の面から、順序として合理的だと考えています。
読者の実態も見ておきます。スマイスターが2017年4〜5月に行ったネット調査(任意回答217人)では、風水を住まいに取り入れた方法として、物を置く位置が58.0%、方位方角が44.0%でした。
具体的には「西側に黄色のものを置く」が22.0%、盛り塩が20.0%、観葉植物が12.0%です。古く小規模な調査なので、傾向をつかむ参考として読んでください。
取り入れた後の変化は、「変わらない」が60.0%、「良くなった」が32.0%、「悪くなった」が8.0%でした。効果の実感は人によって割れており、置物を増やせば何かが変わるとは言い切れません。だからこそ、効果が分からないものにお金と置き場所を先に使うより、色を整えてから足すほうが、失敗の痛手が小さくなります。
置物を先に買った場合の困りごとは、実はとても現実的です。部屋の壁や床の色と合わず、結局しまい込んでしまうと、置き場所も費用も無駄になります。色が先に決まっていれば、置物は「その色に合うか」で選べるので、買い物の判断が早くなるわけです。



置物は最後に足します。色が決まっていれば、選ぶ置物の色や素材もぶれません。



先に気に入った置物を買ってしまいそうです・・・。
置物の種類別に見る判断の軸
置物には、動物や縁起物、植物、水晶や石、絵やガラスなどさまざまな種類があります。種類ごとの吉凶を覚えるより、3つの軸で判断するほうが、迷いが減ります。
- 何を象徴する由来か(出典や流派を確かめる)
- 色や素材が、ベース色とアクセント色に合うか
- 置き場所が安全で、手入れができるか(荷重・転倒・日焼け)
1つ目の由来は、語呂合わせの縁起担ぎなのか、五行などの理論に基づくのかで、根拠の種類が違います。龍や馬、フクロウ、干支のもの、ぬいぐるみ、絵、ガラスの飾りなど、種類は多いですが、どれも由来を確かめてから選ぶという点は変わりません。観葉植物は、冒頭でご紹介した記事に置き方をまとめています。
2つ目は、前の章で決めた色との整合です。象徴する意味がよくても、色や素材が部屋から浮くと、毎日見るたびに落ち着かなくなります。置物の色は、アクセント色の一つとして考えると選びやすくなります。
3つ目は、安全と手入れです。重い置物は固定が必要で、背の高いものは地震で倒れるおそれがあります。窓辺に置く場合は日焼けも気になるので、置き場所に合う素材かどうかも含めて決めてください。
この3つの軸は、どの種類の置物にも同じように使えます。たとえば由来が語呂合わせだと分かれば、効果を期待しすぎず、お気に入りの飾りとして楽しむ姿勢になれるでしょう。逆に由来が曖昧なものは、色と安全の2つの軸だけで選んでも、暮らしの面では十分に成り立ちます。
場所別・方角別の置物は、それぞれ専門の記事があります。たとえば玄関なら風水で玄関に置くと良いものを参考にしてください。



由来を確かめるときは、書名や監修者が分かるものから探すと確実です。出典が見当たらないものは、縁起担ぎとして楽しむ程度にとどめます。
鏡・水・火を使うグッズの注意点


鏡・水・火は、風水でも扱いが分かれやすく、建築や安全の面でも注意が要ります。OHEYAGOの調査では、インテリアで気にする条件として、鏡の位置が17.7%、お守り・魔除け飾りが20%でした。気にしている方が多い分野ですので、安全面から確かめておきます。
- 鏡:固定の仕方と、映り込む位置
- 水:重さと水漏れ
- 火:火災警報器、換気、周囲の燃えやすいもの
鏡は、地震で落ちたり倒れたりしないよう、壁や家具にしっかり固定してください。映り込む位置は流派によって考え方が分かれるため、設置前に何が映るかを実際に確かめて決めてください。
水は、水槽や水の入った器を置くと、重さと水漏れが課題になります。水1リットルは約1キログラムですから、容器の重さと合わせて、床や家具の耐荷重を考えてください。
火を使うものは、キャンドルやお香が代表的です。火災警報器の位置を確かめ、換気をして、周囲に燃えやすいものを置かないようにします。防炎物品の使用が義務になるのは高層建築物や劇場・旅館・病院などで、消防庁のページに一般の戸建て住宅は義務の対象として挙がっていませんが、義務がなくても火の扱いには注意が要ります。
盛り塩や水晶、ガラスの飾り、水槽といった個別の品は、それぞれ専門の記事で扱う主題ですので、ここでは詳しく触れません。お香については、方角や置き場所を後ほどご案内します。
火を使うグッズは、火災警報器と換気を確かめ、周囲の燃えやすいものを離してから使ってください。固定や荷重の判断が難しい場合は、建築士・施工業者にご相談を。
鏡は壁に固定する下地の確認、水は床の耐荷重、火は周囲の距離。この3点を先に見ておけば、大きな失敗は避けられます。
風水グッズを買い足す前のチェック
風水グッズを買い足す前に、確かめる点を4つに絞ります。取り入れる項目は2〜3つに絞るくらいが、暮らしやすさを損なわない目安です。
- 色が決まっているか(原則3のベース色とアクセント色)
- 置き場所の掃除と片付けが済んでいるか
- 固定・安全・手入れができるか
- 一度に増やしすぎていないか
調査では、取り入れた後に「変わらない」と答えた方が6割でした。効果の実感は人によるので、断定はしません。だからこそ、買う前の確認が大切で、置いて満足するのではなく、置いたあとの暮らしやすさを基準にします。
風水の本を選ぶときは、どの流派の考え方に立っているかが書かれているかを見てください。たとえば池田書店の『間取りとインテリアで幸せを呼び込む 風水・家相(改訂版)』(監修・黒門、2021年2月)は、八宅風水と金鎖玉関の2流派を扱っています。部屋別におすすめと避けたいことをまとめた本もありますが、流派名が前面に出ていない本は、どの考え方に基づく話かを自分で見分ける必要があります。
本を読む目的は、流派ごとの考え方の違いを知ることだと思います。1冊で決めつけず、複数の考え方を見比べるくらいが、ちょうどよいのではないでしょうか。インテリア小物も、同じ基準で選べます。



ついあれこれ買い足してしまいそうです。



2〜3つに絞りましょう。足したあとの暮らしやすさを見て、必要ならまた考える。その順番で十分です。
お香を取り入れたいときは、風水でお香を焚く効果と方角で、方角や置き場所、安全面を確かめられます。
インテリア風水のよくある質問とまとめ


読者が迷いやすい疑問に答えたあと、色と置物の順番を振り返ります。
インテリア風水のよくある質問
よくいただく質問に、本文の結論を短く再掲してお答えします。
インテリア風水は色と置物と配置のうち、何から始めればよいですか
まず片付けと掃除、窓まわりの確認で土台を整えます。次に自宅の方角を確かめて色を決め、置物は最後に足す順番が基本です。大きな面積から決めるほうがやり直しの費用を抑えられるので、迷ったときはこの順番に戻ってください。
方角ごとの風水の色が、サイトによって違うのはなぜですか
多くの解説は五行配当に色を結びつけますが、八宅派は命卦、玄空飛星派は建築年と坐向で吉凶を見ます。拠って立つ考え方が違い、基本の色と運気別の色を並べる流儀もあるため、表が割れます。基準にする表を先に決めてください。
インテリア風水を信じていなくても、取り入れて問題ありませんか
問題ありません。調査でも、取り入れて「変わらない」と答えた方が6割でした。好きな色や暮らしやすさを優先し、片付けや採光など住まいに役立つ部分だけ参考にする使い方でも、十分に意味があり、無理に全部を信じる必要はありません。
賃貸でも、カーテンやクッションなど小物だけで風水の色を取り入れられますか
取り入れられます。小物やクッション、カーテンやラグ、照明の順に、変えやすいものから足せば十分です。壁や床に手を加える場合は、契約書と管理会社の案内で可否を事前に確かめ、戻しやすさも基準にしてください。
風水で良いとされる配置と、建築的な配置がぶつかるときはどちらを優先しますか
採光や換気、動線、安全といった建築の実を先に確保し、風水は残る範囲で取り入れるのが現実的です。ただし、最終的にはご自身の状況と合わせてご判断を。建築・リフォームの判断は、建築士・施工業者にご相談ください。
インテリア風水の基本まとめ
インテリア風水は、方角に合う色を先に決め、置物は後から加える順番が基本でした。この順番は五行の考え方が前提で、流派によっては命卦や建築年を先に見ます。
3つのものさしで振り返ります。占術の理は、五行の色が分類の体系であり、方角ごとの色が情報源で割れる理由でした。
建築の実は、方角の測り方、色見本と実物のズレ、照明、防火や安全です。暮らしの利は、面積と費用、戻しやすさの順番でした。
色を選ぶ3つの原則は、方角を確かめ、面積の大きいものから決め、ベースとアクセントを分けることです。賃貸のように変えられない部分があっても、小物から足していけば無理なく進められます。
随分と順番を語りましたが、これは流派を問わない定説ではなく、建築士の視点での優先順位です。最終的にはご自身の状況・好みと合わせてご判断を。建築・リフォームの判断は、建築士・施工業者にご相談ください。
風水の全体像に立ち返りたいときは、風水とはの解説もあわせてご覧ください。



色を先に、置物は後から。迷ったら、この順番に戻ってきてください。
次のチェックリストで、ご自身の進み具合を振り返ってみてください。
- 色を先に決めて置物は後から加える順番が基本だと、前提となる五行の考え方とあわせて理解した
- 色や置物を選ぶ前に、片付けと掃除を済ませて部屋の物の量を減らす準備を整え、土台を作った
- 窓まわりと通り道をふさがず、採光と換気と動線が保てているかを色選びの前に見直した
- 壁や床や建具など動かせない色と窓の日当たりを確かめ、風水の色との相性を見て判断した
- 家の中心を間取り図の対角線の交点で出し、八方位の45度の区切りで方角を確認しておいた
- スマホのコンパスは磁北を指すため、真北とのずれが関東や近畿で約6〜8度あると知った
- 方角ごとの風水の色は情報源で違うと知り、基準にする表がどの体系のものかを確かめた
- 八宅派は命卦、玄空飛星派は建築年と坐向を見るため、方位固定の色表を前提にしないと理解した
- 壁やカーテンやラグなど面積の大きいものから順に、小物へ向けて色を決める流れで進めることにした
- 色見本は実物より明るく見えやすいので、大きな見本や試し塗りで確かめてから色を選んだ
- ベース色は落ち着いた色にして、風水の色はクッションや小物のアクセントで足すことにした
- 照明の光色や演色性で色の見え方が変わるため、昼と夜の点灯した状態で色を確かめてから決めた
- 賃貸では壁紙を変えず、クッションやカーテンなど戻しやすい小物から風水の色を取り入れた
- 鏡と水と火を使うグッズは、固定や荷重や火災警報器など安全面を確かめてから置くことにした
- グッズの買い足しは一度に増やさず、効果を断定せず、好みと暮らしやすさを優先すると決めた
インテリア風水は、完璧な正解を探すものではなく、暮らしを整えるための目安です。色を先に決めて置物を後に回し、迷ったときは建築の実と暮らしの利に戻れば、大きく外れることはありません。まずは方角を確かめるところから、始めてみてください。
続けて読むと理解が深まる記事をご紹介します。方角と色の対応、模様替えの優先順位、植物の置き方、方角の測り方の順に、必要なところから確かめられます。






