こんにちは、住まいの気学の匠庵です。運気は住まい全体を整えたうえで、テーマ別に取り入れるのが結論です。金運だけを先に狙うより、換気・光・安全の順に整えるほうが、暮らしにも役立ちます。
風水の成り立ちは、風水とはの記事でまとめました。ここでは、その先にある「どこから手をつけるか」を、一級建築士の立場でお話しします。
さて、金運を風水で整えようと調べると、置き物や色の話ばかりが目に入ります。が、住まいには窓も換気も水回りもあるのです。順番を決めずに始めると、どれも中途半端になりがちです。
そこで、金運・仕事運・健康運の入口と、掃除・引越し・模様替えの注意点を、古典と法令の根拠つきで案内します。効かなかったときの見直し方も、正直にお伝えします。
- 住まい全体を整える順番
- 金運・仕事運・健康運の入口
- 掃除・引越し・模様替えの注意点
- 効かないと感じたときの見直し方
金運風水の基本は住まい全体を整えること

金運風水は、置き物の話の前に、住まい全体の巡りを見る考え方です。古典、流派、建築の順に、なぜ全体が先なのかを確かめます。
風水でいう金運は入りと出の巡り
風水でいう金運は、お金が入ってくる流れと、出ていく流れの両方を見る考え方です。収入が増えるかどうかだけでなく、無駄な出費が重なる暮らしの乱れも含めて考えます。ただし、この「入りと出」の見方は現代の解説でよく語られるもので、古典に書かれているわけではありません。
古典の側に、金運だけを単独で上げる決まりごとがあるのかは、私は把握していません。「風水」という名は、『葬書』にある「気は風に乗れば散り、水に出会えば止まる」という趣旨の一節に由来するとされます。『葬書』は郭璞(かくはく)の撰と伝わりますが、四庫全書の提要は、名を借りた書だと述べています。
風の字は通風や換気、水の字は排水や湿気、結露と読み替えられるでしょう。これは私の読み解きです。が、風水の語源が空気と水の扱いにつながっている以上、換気と湿気の話から入るのは自然なわけです。
ユイ置くだけで金運が上がるわけではないですよね?



はい。置き物だけで決まる話ではありません。まず住まい全体の巡りから見ていきます。
では、実際に風水を試した人は、どれくらい変化を感じているのでしょうか。スマイスターの利用者217人への調査(2017年4月)では、上げたい運は金運が68.2%で1位でした。ところが、取り入れたあとの変化を聞くと、「変わらない」が60.0%です。
Casieの158人への調査(2020年8〜9月)でも、金運は87.0%で最多でした。「変わらない」は52.1%です。
| 調査 | 人数・時期 | 上げたい運の1位 | 変化の実感「変わらない」 |
|---|---|---|---|
| スマイスター | 217人・2017年4月 | 金運 68.2% | 60.0% |
| Casie | 158人・2020年8〜9月 | 金運 87.0% | 52.1% |
※いずれも小規模で、答えた人が自分で集まる形式の調査です。全国の傾向を表すものではありません。
それでも、半数前後が「変わらない」と感じている点は、軽く見ないほうがよいと思います。そこで、この記事では期待をふくらませません。建築的にも筋の通る部分と、流派の言い伝えを、分けて書いていきます。
『黄帝宅経』の五虚五実と住まい
金運、つまり貧富に近い古典の一節が、『黄帝宅経』にあります。四庫全書本の提要は、黄帝の作とするのは仮託だと述べています。成立の事情は私も詳しく把握していませんが、住まいを論じた古い書として知られる一冊です。
宅有五虚,令人貧耗;五實,令人富貴
『黄帝宅経』(四庫全書本・黄帝に仮託)
意味は「五つの虚があれば貧しくなり、五つの実があれば豊かになる」です(意訳)。五虚と五実の中身は、次の表のとおりです。
| 五虚(貧しくなる形・意訳) | 五実(豊かになる形・意訳) |
|---|---|
| 家が大きいのに人が少ない | 家が小さく人が多い |
| 門が大きいのに内側が小さい | 家が大きく門が小さい |
| 塀や囲いが整っていない | 塀や囲いが整っている |
| 井戸やかまどの位置が悪い | 家が小さく家畜が多い |
| 敷地に対して建物が少なく、庭ばかり広い | 水路が東南へ流れる |
ただし「家が小さく人が多い」を実とする点は、時代の違いが大きいと考えます。現代の居住水準には、そのまま合いません。表の五虚のうち、現代の暮らしに読み替えやすいものを、次に挙げます。
| 古典の五虚(意訳) | 現代の住まいへの読み替え(一例・私の解釈) |
|---|---|
| 塀や囲いが整っていない | 防犯。壊れたままの塀や門、外から入りやすい敷地を直す |
| 井戸やかまどの位置が悪い | 水回りの計画。給排水と火の位置、換気のしやすさを見る |
| 家が大きいのに人が少ない | 手入れの届く広さか。使わない部屋の湿気や荷物を見る |
この読み替えは、どれも私の解釈です。古典がそう述べているわけではありません。ただ、塀の傷みや水回りの不具合を放っておかない、という点は今の住まいにも通じます。
大切なのは、五虚五実が「家の規模・囲い・手入れ」の話だという点です。方位や置き物で金運を呼ぶ話ではありません。
『宅経』の本文に、西を金運とする記述があるのかは、私は把握していません。この点は、次の項で扱います。
もう一つ、『宅経』は住まいを身体にたとえています。地形を身体に、泉や水を血の流れに、建物を衣服にあたると見る考え方です(要旨)。
部分ではなく、全体を見る姿勢といえます。この全体観こそが、「まず住まい全体を整える」という本記事の根拠になるわけです。



五虚五実は、風水の流派が分かれる前の、古い住居観です。成立の事情には諸説あるため、現代の暮らしへは読み替えて使います。
流派で金運の方位が違う理由
同じ「金運の方位」でも、流派によって見る軸が違います。サイトや本で言うことが食い違うのは、このためです。まず、主な見方を表で並べましょう。
| 流派 | 見る軸 | 本記事での扱い |
|---|---|---|
| 巒頭派(形勢派) | 地形や周りの山・水など、目に見える形 | 敷地ごとの判断になるため、深追いしない |
| 理気派 | 方位・八卦・五行・暦などの理論 | 次の八宅派と玄空飛星派が含まれる |
| 八宅派 | 住む家と、住む人(命卦:生まれ年と性別で決まる型)の相性 | 日本で主流とされ、本サイトのツールの系統 |
| 玄空飛星派 | 時間(20年ごとの九運)と、家の向き | 時期で方位の吉凶が動くとされる |
| 日本の家相 | 鬼門など陰陽道の要素が強い | 風水とは別物と説明されることが多い |
八宅派は、『八宅明鏡』(1790年)で理論化されたとされ、住む人の命卦から吉方位を出します。玄空飛星派は、時間を20年ごとの九運に分け、第九運は2024〜2043年とされます。同じ家でも、この二つの流派では金運の方位が一致しない場合もあるでしょう。
では、「西が金運」「西に黄色」はどうでしょうか。後天八卦では、兌(だ)が西にあたり、五行は金です。
この「金」を「お金」に重ねた連想が、広まったのだと私は考えます。ただ、その橋渡しをはっきり書いた文献は、私は把握していません。ですから、日本で広まった考え方の一つとして受け止めてください。



サイトごとに言うことが違って、何を信じたらいいか迷います。



迷って当然です。まず、流派ごとに見る軸が違うのだと知ってください。
方位の調べ方は、流派で変わります。九星気学の見方は九星気学の方位とはに、色との対応は方角と色の関係にまとめました。五行と色の対応も流派差が大きいため、表を見るときは「流派により異なる」と心得ておくと安心です。
どの流派が正しいかを、私は決めません。決めるための材料もありません。読者のかたが一つの流派を選んで続ければ、答えがぶつからず、いちばんぶれにくいと思います。
なお、西の窓には建築の面でも見るべき点があります。西日です。これは後の章で、風水の見方と並べてお話しします。
整える順番は換気・光・安全から


ここが本記事の核です。整える順番は、換気と湿気、光と日射、安全、そのあとに方位・色・小物とします。
この順番は古典に書かれたものではなく、建築の実に基づく私の編集提案です。費用が小さい順であり、健康や安全に直結する順でもあります。
- 換気と湿気:窓を開ける、換気扇を使う、結露をふく
- 光と日射:窓の前をふさがない、西日の手当てをする
- 安全:家具を固定する、出入口をふさがない
- 方位・色・小物:最後に、流派を一つ選んで取り入れる
ここで、本サイトの「3つのものさし」を使います。占術の理(ことわり)は、宅経にある「住まいは全体で見る」という考え方です。
建築の実(じつ)は、法規や公的な資料の裏づけです。暮らしの利(り)は、費用の小ささと続けやすさになります。
換気の根拠は、施行令20条の8にあります(出典:e-Gov法令検索『建築基準法施行令』、2026年10月時点)。必要な換気の量は「n×A×h」で決まります。nは換気回数、Aは床面積、hは天井高で、住宅の居室ではnが0.5です。
つまり、1時間に部屋の空気の半分を入れ替える目安です。窓による換気の開口は、法28条2項で床面積の20分の1以上とされ、換気設備があれば免除されます。この数字は設計の目安であり、暮らし方を縛るものではありません。
湿気は、室内の湿度を60%以下に保つのが目安です(板橋区の資料)。採光にも決まりがあります。住宅の居室は、建築基準法と施行令により、床面積の7分の1以上の窓が基本です。
照明設備を付けるなどの措置があれば、緩和できる場合もあります。窓の有効面積は、窓の面積に、隣の建物までの距離などで決まる係数(採光補正係数・令20条)をかけて求める決まりです。隣の家が近い低層住宅地では、大きな窓でも、有効な採光が伸びにくくなります。
| 段階 | 建築の実の根拠 | 目安 |
|---|---|---|
| ① 換気と湿気 | 施行令20条の8、法28条2項 | 1時間に部屋の空気の半分、湿度60%以下 |
| ② 光と日射 | 法28条、施行令19条3項・20条 | 住宅の居室は床面積の7分の1 |
| ③ 安全 | 東京消防庁・港区の資料(後の章で解説) | 家具の固定、出入口の確保 |
| ④ 方位・色・小物 | 流派による | 最後に、一つの流派で取り入れる |



リビングばかり頑張って、鬼門は後回しにしています。



順番に戻りましょう。リビングの色より先に、窓を開けて空気を入れ替えるところからです。
ずいぶん細かい話になりましたが、順番を決める理由は一つに尽きます。迷ったときに戻る場所を、先につくっておくためです。
金運風水と仕事運・健康運の整え方


金運・仕事運・健康運は、住まいの別々の場所から整えます。玄関と西の窓、机まわり、室温と湿気、そして自宅の吉方位の順に見ていきます。
金運は玄関と西の窓まわりから


金運の最初の一歩は、玄関の物を減らし、たたきを拭くくらいに絞ります。玄関の細かい話は、後の章で紹介する玄関の記事に任せましょう。ここでは「西の金運」を、西日を整える話から始めます。
東京の日の入りの方位は、北を0度として東回りに測ります。2026年の夏至のころは300.0度で、西より北寄りに約30度です。冬至のころは241.4度で、西より南寄りに約29度です(国立天文台暦計算室)。
年や場所で数度ずれるため、「夏は西より北寄り、冬は南寄り」と覚えておけば十分です。風水の側は、西から入る気を受けたいと考えます。建築の側は、夏の強い日差しを遮るのが先です。
両方を満たすなら、光を完全に切らず、量を絞る形にします。設計の現場でも、西向きの窓は夏の遮蔽計画が先に問題になるものです。遮り方による違いは、次の表で分かります。
| 日差しの遮り方(単板ガラスの場合) | 日射侵入率 |
|---|---|
| 遮るものなし | 0.88 |
| レースカーテン | 0.56 |
| 内付ブラインド | 0.46 |
| 紙障子 | 0.38 |
| 外付ブラインド | 0.19 |
※国土交通省の平成23年度の報告書が引く、省エネ基準解説書の値です。数字が小さいほど、入ってくる日射熱が少なくなります。外付けのほうが、室内側より遮る効果が大きい傾向です。
西に黄色いカーテンを、と考える人もいます。が、日光には退色や劣化がつきものです。
国民生活センター(2026年1月公表)の事例を挙げます。約6年使った白いポリエステルのカーテンが、日光で脆くなり、粉状になりました。同センターは、どの素材も長期の日光で脆くなると助言しています。
1件の事例なので一般化はできませんが、日の当たる窓ほど布は傷みやすいと考えておきましょう。



賃貸でも、西日の手当てはできますか?
できます。レースと遮光のカーテンを重ね、サーキュレーターで空気を動かす方法があります。外付けや内窓は許可が要るため、賃貸では難しいでしょう。
もう一つ、重さにも気をつけたい点です。大型の水槽や金庫、大きな鉢を置く話は、風水の解説でよく見かけます。
床の積載荷重(床に載せる重さの想定)は、建築基準法施行令85条で、実況に応じて計算するのが原則です。重い物は面ではなく点で載るため、置く前に実際の重さと床の強さを確かめてください。
仕事運は机の位置と明るさで整える


仕事運は、机の向き(方位)の前に、画面への映り込みと、窓の逆光を見ます。机の向きや色の細かい話は、ここでは深追いしません。入口だけを押さえます。
目安になるのは、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」です。令和元年7月12日基発0712第3号で示され、令和3年12月に一部改正されました。
書類の上やキーボードの上の明るさは、300ルクス以上とされています。室内は、明暗の差が大きすぎず、まぶしさが出ないことが求められます。太陽光が差し込むときは、窓にブラインドを使う例も示されています(出典:厚生労働省のガイドライン)。
ただし、これは会社などの事業者向けの指針です。自宅の在宅ワークに、法的に当てはまるものではありません。あくまで、明るさの目安として借ります。
- 画面に窓や照明が映り込んでいないか見る
- 窓を背にして、画面が逆光になっていないか見る
- 書類の上が300ルクス以上を目安に明るいか見る
- そのあとで、机の向きを考える
窓に対して画面を横向きにすると、逆光も映り込みも出にくい配置になりやすいです。設計の現場でも、机の位置は、画面への映り込みと窓の逆光を先に見るのが基本です。どうしても動かせない部屋では、ブラインドやデスクライトで補います。
玄関の靴や下駄箱の汚れが、仕事に影響するという見方もあります。流派の説として語られるもので、確かめられる根拠は、私は把握していません。ここでは一言にとどめます。
仕事運とは、落ち着いて作業できる環境を整えること。私はそう受け止めています。
健康運は換気・湿気・室温差から


健康運は、「風水で健康が変わる」とは結びつけずに考えます。建築の面で意味がはっきりしているのは、室温差、換気、湿気の三つです。体調に不安があるときは、住まいを整えるより先に、医療機関に相談してください。
国土交通省の「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」に、中間報告(第3回、平成31年1月24日)があります。室温が年間を通じて安定した住宅は、血圧の季節差が小さい傾向でした。部屋どうしの温度差が大きく、床近くの室温が低い住宅は、血圧が有意に高い結果でした。
断熱改修のあとは、起床時の最高血圧が有意に下がっています。ただし、これは観察研究の中間報告で、相関の知見です。室温差を減らせば血圧が下がる、とは言い切れず、建築的にも合理性がある、という範囲で受け止めてください。
入浴の場面も見ておきます。消費者庁(令和2年11月19日)によると、高齢者の家や居住施設の浴槽での死亡は、令和元年に4,900人でした。11月から4月に多いとされています。
対策は、入浴前に脱衣所と浴室を暖めることです。湯温を41℃以下にして10分までにとどめ、急に立ち上がらないことも挙げられています。
湿気は、湿度60%以下を目安にします(板橋区の資料)。換気の目安は、先ほどの「1時間に部屋の空気の半分」です。設計や施工管理の現場でも、結露やカビの相談では、換気と家具を壁から離すことが先に効く場面が多いです。
| 場所・場面 | 対策の例 |
|---|---|
| 脱衣所・浴室 | 入浴前に暖める。湯温は41℃以下、10分まで |
| 窓 | 結露水をふき取る |
| 台所・風呂 | 湯気はすぐ排気する。室内干しは避ける |
| 家具まわり | 壁から5cm程度離す |
| 押入れ | すのこを敷き、戸を少し開けておく |
健康に関する内容は参考情報であり、医療の代わりにはなりません。血圧やめまいなどが気になるときは、医療機関にご相談ください。
自宅の吉方位を計算で確かめる
整える順番のあとに、もう一つ、次の一手があります。自宅の八宅方位と、自分の本命卦を計算して、住まい全体の吉方位を確かめる方法です。本サイトの風水自動計算ツールは、この八宅派の考え方で作っています。
- 生年月日から、本命卦を出す
- 自宅の八宅方位を見る
- 住まい全体の吉方位を確かめる
八宅派は、住む家と住む人の相性で方位を見ます。日本で主流とされ、風水の解説でもよく使われる見方です。
同じ家でも、住む人の生まれが違えば、吉方位が変わります。家族で暮らしているなら、全員の吉方位が重ならないこともあるでしょう。
八宅派と玄空飛星派では、金運の方位が一致しない場合があります。ツールは八宅派の考え方に基づくため、玄空飛星派で見ると、結果が異なることがあります。使う流派は、一つに絞ってください。



うちの家の方角って、どう調べればいいんでしょう?



計算で確かめる方法があります。ただし、結果は参考です。整える順番のあとに取り入れてください。
ツールで確かめられるのは、方位と本命卦までです。間取りの形や、家具一つひとつの吉凶までは見ません。
吉方位が出ても、いきなり家具を動かす必要はありません。まず換気と光と安全を整え、そのうえで、取り入れやすいものから足します。吉方位は、整えた住まいに足す、最後の一手と考えてください。
さて、吉方位が分かったら、玄関、トイレ、キッチン、寝室、リビングと、場所ごとの記事へ進みます。順番どおりに進めるほうが、迷いにくいはずです。
あなたの家の「吉方位」、ご存じですか?
生年月日と自宅の向きを入れるだけ。本命卦・八宅の吉凶8方位を自動診断し、住まいの風水を100点満点でスコア化します。
風水 自動計算ツールを使ってみる →暮らしの節目で気をつける風水


掃除、引越し、模様替えは、風水が気になりやすい節目です。それぞれで先に見ておきたい建築の面と、効かないと感じたときの見直し方をお伝えします。
掃除の風水は水回りと湿気から
掃除をすれば運が上がる、と言い切ることはできません。ただ、水回りの掃除は、湿気やカビ、結露への手当てとして、建築的にも合理性があります。開運の意味や、掃除で運が上がるかどうかの線引きは、開運の意味と整え方で解説しています。
カビは、温度と水分と栄養源がそろうと育つものです。掃除は栄養源になる汚れを減らし、換気は水分を減らします。水回りの掃除が、運の話を抜きにしても意味を持つのは、このためです。
湿気への手当ては、板橋区の資料にある目安が使えます。
- 室内の湿度を60%以下に保ちます
- 窓の結露水は、ふき取ります
- 台所や風呂の湯気は、すぐ排気します
- 室内干しは避け、家具は壁から5cm程度離します
- 押入れは、すのこを敷き、戸を少し開けておきます
其宅雖善,修移乃昌
『黄帝宅経』(四庫全書本・黄帝に仮託)
意味は、良い家でも手入れをしてこそ栄える、です(意訳)。古典の側にも、掃除や修繕を大切にする考えがあるのです。ここでいう手入れは、運を呼ぶ儀式ではなく、住まいを傷めないための暮らしの工夫だと、私は読んでいます。
風水でいう金運は、入ってくる流れだけでなく、出ていく流れも含みます。そこで、掃除のついでに家計や支出を見直す余地もあるでしょう。これも、現代の解説で語られる考え方の一つです。



掃除の仕事をしている人は、みんなお金持ちになるはずでは?



もっともな疑問です。仕事の掃除とは別だと決めつけず、暮らしを整える意味で行うもの、と受け止めてください。
「掃除したのに、入る隙間がない」という声もあります。その場合は、先ほどの順番に戻ります。換気と湿気、光、安全のあとに、掃除の細部を足せば十分です。
大掃除で水回りやエアコンの汚れが気になるなら、手が回らない場所を業者に頼む方法もあります。
水回りとエアコンの奥の汚れは、
一度プロに任せてみませんか。
風水では、キッチンや浴室、トイレなどの水回りを清潔に保つことが基本とされます。ただ、換気扇の油汚れやエアコン内部のカビは、家庭の掃除では手が届きにくいものです。「ユアマイスター」なら、ハウスクリーニングのプロにネットで依頼できます。
支払いは作業が終わってから
仕上がりに満足できなければ、作業後3日以内の申し出で再施工
業者の過失による故障・破損は最高100万円まで補償
頼み方は2通り。合うほうを選べます
はじめてで迷うなら「おまかせ」
メニューと日時を選ぶだけで、約3分で注文できます。プロは2営業日以内に手配されます(指名はできません)。
自分で選びたいなら「比べて選ぶ」
お住まいの地域のプロを、口コミ・料金・作業内容で比べて選べます。
※料金はプロや作業内容によって異なります。見積りが必要なサービスもあります。
※再施工・補償は対象サービスや申請期限、設備の製造年数などの条件があります。詳細は公式サイトの「ご満足保証」をご確認ください。
引越しの風水は時期と方位を分ける
引越しの風水は、二つに分けて考えると迷いません。混む時期を避ける「実務」と、方位の吉凶を見る「占術」です。
| 軸 | 中身 | 判断の材料 |
|---|---|---|
| 時期(実務) | 混む時期を避ける。見積もりを比べる | 国土交通省の予約状況 |
| 方位(占術) | 吉方位・凶方位を調べる | 流派や暦による |
国土交通省は、引越しが例年3〜4月に集中するとして、分散引越を呼びかけています。令和8年3月13日の公表(2026年2月24日時点の予約状況)では、4月第2週以降は比較的余裕があるとされました。この情報は年ごとに更新されるため、翌春に引越す人は、その年の国土交通省の発表で予約状況を見直してください。
分散引越とは、引越しが集中する時期をずらして、利用者も業者も負担を減らす取り組みです。
引越しのときに風水を考えに入れる人は、45.2%という調査もあります(Casie、158人、2020年)。小規模な調査ですが、引越しが風水を気にする節目になっていることは分かります。
方位の吉凶は、流派や暦によって見方が変わるものです。一般的には、年盤・月盤で吉方位を調べる方法がよく知られています。調べ方は吉方位への引っ越しの調べ方にまとめました。
日の吉凶を決める暦の話は、風水とは別のものとして、ここでは混ぜません。その話は、またの機会に・・・。
見積もりは、複数社で比べるのが基本です。混む時期は料金が変わることがあり、金額は地域や条件により変動します。具体的な金額は、ここでは示しません。
時期は実務で決め、方位は気になる範囲で確かめる。この分け方なら、どちらかに引きずられずに済むわけです。
模様替えは家具の安全を先に


風水の模様替えは、方位や色の前に、家具の固定と出入口の確保を先に決めます。方位や五行の配置、ルールがぶつかったときの優先順位は、風水で模様替えの記事に任せます。ここでは安全の面だけを見ていきましょう。
東京消防庁によると、最も効果の高い固定は、L型金具をネジで留める方法です。穴を開けられない賃貸では、ストッパー式とポール式を併用すると、L型金具と同等の効果が見込めるとされています。固定の優先順位は、重くて高い家具が先です。
港区の資料には、寝室と子ども部屋の考え方があります。なるべく家具を置かず、置くなら固定します。
出入口へ続く通路には、倒れやすい家具を置きません。固定できない場合は、倒れても出入口をふさがない向きに置きます。
- 重くて高い家具から、先に固定する
- 寝室と子ども部屋は、なるべく家具を置かない
- 置くなら、L型金具かストッパー式とポール式で固定する
- 固定できない家具は、倒れても出入口をふさがない向きにする
出入口へ続く通路に、倒れやすい家具を置かないでください。
床の重さにも注意が必要です。積載荷重は、建築基準法施行令85条で、実況に応じて計算するのが原則です。大型の水槽や金庫、大きな鉢植えは、重さが点で載ります。
置く前に、実際の重さと床の強さを確かめましょう。数値は、ここでは出しません。
設計や施工管理の現場でも、地震への備えは、寝室と出入口まわりが優先と考えるのが一般的です。鏡やテレビなど、個別の家具の吉凶は、流派で見方が割れるため断定しません。安全を先にして、そのあとで好みと流派を合わせれば十分です。
効かないと感じたときの見直し方
風水をやってみたのに、変わった気がしない。そう感じる人は少なくありません。



やったのに、変わった気がしません。



その感覚は大切です。見直す順番を決めましょう。
先ほどの調査では、「変わらない」が60.0%と52.1%でした。どちらも小規模で全国の傾向ではありませんが、無視できない割合です。
- 整える順番に戻る
- 流派を混ぜず、一つに絞る
- 金運を風水だけで語らず、家計と支出も見る
- 高額な開運グッズや勧誘には、慎重になる
まず順番です。方位や色から入って、換気や湿気を後回しにしていないかを見ます。
次に流派です。八宅派と玄空飛星派を混ぜると、方位の答えがぶつかります。一つに絞るほうが、続けやすくなります。
金運は、入る流れと出る流れの両方です。収入の変化は、風水だけで決まるものではありません。家計や支出など、数字で見える部分も、あわせて見直します。
高額な開運グッズを勧められたときは、その場で決めないでください。家族や身近な人に相談してからでも、遅くありません。
物を減らして余白をつくる考えは、流派や解釈で評価が割れます。一方、片付けは換気や掃除をしやすくする点で、建築的にも合理性のある行いです。「良くなった」と感じる人の話にも、片付けや換気、採光で環境が整ったことを挙げるものが目立ちます。
いえ、風水を否定しているわけではありません。参考になる部分と、そうでない部分を分けて使う。それが、いちばん現実的だと思います。
風水や占いの結果は、あくまで参考や傾向です。医療・法律・投資の代わりにはなりません。最終的にはご自身の状況と合わせてご判断を。
金運風水をテーマ別に深める


全体の順番が分かったら、場所別の記事に進みます。間取りそのものが気になるときの相談先と、よくある質問、まとめもここで確認します。
テーマ別記事を読む順番
本記事の順番(換気・光・安全のあとに方位・色)に沿って、場所別の基本記事を読む順番を紹介します。家の入口、水回り、寝る場所、くつろぐ場所の順です。
この順番は、家の動線に合わせました。外から入る玄関、毎日使う水回り、眠る寝室、家族が集まるリビングと進めると、住まいを一周できます。財布や色、観葉植物、5円玉などの小物は、ここでは扱いません。
最初は玄関です。玄関風水では、清潔さと明るさの2点を先に整え、方角はその上に重ねる考え方を、優先順位つきで解説しています。
次は水回りです。トイレ風水は、色や置物より先に、換気と清掃と照明を整えることが基本です。キッチン風水は、清掃と換気に加えて、火と水の安全から見ていきます。
そのあとは、休む場所とくつろぐ場所です。寝室の風水は、方角より先に、ベッドの配置と光と風を整える順番を解説しています。リビング風水は、家具の配置と採光を先に、色選びをあとに考える3つの原則です。
場所別の記事は、どれも本記事と同じ考え方で書いています。建築の面の根拠を先に示し、方角や色は、そのあとに重ねる構成です。
気になる場所から読んでも構いません。が、迷ったら、この順番に戻ってきてください。
間取りから見直したいときの相談先


間取りは、簡単には動かせません。まず、設備・窓・収納で手当てできる範囲から始めます。換気扇や窓の使い方、カーテン、家具の固定は、工事をしなくてもできる範囲です。
構造、採光、換気、法規に関わることは、建築士や施工業者に相談する領域です。悩みによって相談先が違うため、表にまとめました。
| 悩み | 相談先 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 窓を増やしたい、大きくしたい | 設計した建築士、施工業者 | 図面と現地で、採光と換気の基準を見てもらう |
| 壁や水回りを動かしたい | 建築士、施工業者、自治体の窓口 | 図面と現地で、構造と法規を見てもらう |
| 結露やカビがひどい | 施工業者(賃貸なら管理会社) | 現地で、結露の出る場所と換気を見てもらう |
| 間取り全体の風水・家相の見立て | 一級建築士による鑑定 | 図面をもとに診てもらう |
表の「確かめ方」は、図面と現地の両方を見てもらう点が共通しています。図面だけでは、窓の位置や日当たり、湿気の様子が分かりにくいためです。
相談前に準備できることもあります。図面、窓の寸法、気になる場所の写真、いつから困っているか。これを持っていくと、話が早く進みます。
一級建築士の肩書だけで、風水が正しくなるわけではありません。私が根拠にしているのは、条文と公的な資料です。
間取りの優先順位の考え方は、風水の間取りと家相の考え方で解説しています。完璧を目指さず、優先順位で決める見方です。
工事費や鑑定料などの費用は、地域・条件により変動します。この記事では金額を示していません。工事の可否や実際の費用は、建築士・施工業者にご相談のうえ、見積もりで確かめてください。
間取りの診断は、一級建築士による鑑定として相談することもできます。強く勧めるつもりはありません。住む人の利益になる範囲で、選択肢の一つとして知っておいてください。
金運風水のよくある質問
金運風水で迷いやすい点を、4つの質問に絞って答えます。
賃貸でも金運風水はできますか?
できます。換気や掃除、レースと遮光のカーテン、ストッパー式の家具固定など、元に戻せる工夫が中心です。金運が上がるとは断定できませんが、外付けの日よけや内窓は貸主の許可が要るため、先に確かめてください。
西の部屋がない場合はどうすればよいですか?
西が金運とされるのは流派の説で、古典に出どころがあるのかは私は把握していません。西の部屋がなくても問題はなく、先に換気・光・安全の順で整えてください。方位が気になるなら、ツールで自宅の八宅方位と本命卦を確かめます。
掃除だけで金運は上がりますか?
上がるとは断定できません。ただ、水回りの掃除は湿気やカビ、結露への手当てになり、建築的にも合理性があります。費用が小さく続けやすいうえ、家計や支出の見直しと組み合わせれば、金運でいう「出ていく流れ」にも目が届きます。
財布や置物は金運に効きますか?
財布や置物など、個別の品物が金運を上げるという古典の出典は、私は把握していません。建築の面で確かめられるのは、重さ、日焼け、安全の三つです。重い置物は床の強さを、窓辺に置く物は日光による退色や傷みを確かめてください。
金運風水のまとめ
金運風水は、住まい全体を整えてから、テーマ別に取り入れるのが基本です。順番は、換気・光・安全から始めます。次の一歩は、窓を開けて空気を入れ替えることです。



全部を一度にやる必要はありません。今日は、窓を開けるところから始めてください。
3つのものさしで振り返ります。占術の理は、宅経の全体観と、流派で方位が割れることでした。
建築の実は、換気・採光の基準と、家具の固定です。暮らしの利は、費用が小さく、続けやすい順に進めることです。
ずいぶん順番を語りましたが、これは建築士としての私の提案で、流派の定説ではありません。最終的にはご自身の状況と合わせてご判断を。窓や間取りに手を入れる場合や、引越しなどの実務は、建築士・施工業者にご相談を。
次のチェックリストで、ご自身の住まいを振り返ってみてください。
- 金運風水は住まい全体を整えてからテーマ別に取り入れるのが基本だと、最初に覚えておく
- 風水でいう金運は、入ってくる流れと出ていく流れの両方を見る考え方だと先に知っておく
- 古典に金運だけを上げる方法は見当たらず、宅経は住まいを全体で見ていることを知っておく
- 『黄帝宅経』の五虚五実は、家の規模や囲い、手入れの話として現代の暮らしに読み替える
- 西が金運とされるのは流派の説と知ったうえで、まず西日の遮蔽と窓まわりの手当てをする
- 八宅派と玄空飛星派では金運の方位が一致しないため、使う流派をひとつに絞って考える
- 整える順番は換気と湿気、光と日射、安全、そのあとに方位や色や小物という順にしていく
- 住宅の居室の採光は建築基準法と施行令で、床面積の7分の1が基本だと知ったうえで窓を見る
- 換気は1時間に部屋の空気の半分を入れ替える目安を意識し、湿度は60%以下に保つようにする
- 仕事運は机の位置と明るさから整え、書類の上は300ルクス以上を目安にして逆光を避ける
- 健康運は部屋ごとの温度差を減らし、入浴前に脱衣所と浴室を暖めることから始めてみる
- 掃除は水回りの湿気や結露への手当てとして行い、掃除だけで運が上がるとは考えないでおく
- 引越しは混み合う3〜4月を避ける実務の話と、方位の吉凶の話を分けて考えて進めておく
- 模様替えは家具の固定と出入口をふさがない配置を先に決め、そのあとで方位を確かめる
- 効かないと感じたら整える順番に戻り、間取りの不安は建築士や施工業者に早めに相談する
住まいを整える順番を決めておけば、金運も仕事運も健康運も、迷わず入口に立てます。まず換気と光と安全を整え、方位や色は最後に、流派を一つ選んで取り入れてください。判断に迷う点は、ご自身の状況と照らし合わせたうえで、建築士・施工業者にご相談を。
風水の基本や方角、開運、間取りの考え方に立ち返りたいときは、次の記事もあわせてどうぞ。今の住まいに合う順番を見つける助けになります。


